BlueSky~君と見たあの空へ…~
僕の背中には翼がある。
真っ白な翼、それは僕の全て。
あの大空を自由に飛ぶために必要な僕の宝物。
だけど…今の僕は飛べない。
もう二度と…分かってるさ。
後悔はしていない、君が助かったから。
でも、出来るなら…もう一度だけ。
両手を伸ばして掴めないモノを掴もうとする。
誰か僕に翼をください。
あの大空を飛んでいけるだけの翼を…。
誰もいないあの大空へどこまでも飛んでいきたい。
けれど僕の翼は羽ばたけない。
それだけの力もない。
あぁ、もう一度だけでいいんだ。
あの自由な大空を羽ばたきたい。
誰からも束縛されることのないあの空へ。
君と飛んでみたかった。
背中の翼に力を込めてみる。
けれど、ピクリとも動かない。
どうしてだろう…力も入らない。
あぁ、そうか…。
紅色に染まった翼を見て僕は理解した。
もう一度だけ飛びたっかたなぁ。
薄れ行く意識のなかで僕は雲一つない澄みきった大空を見つめ続けた……君と飛ぶ姿を思い描きながら--。