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投擲の勇者  作者: 不死身の倫理
1章
15/17

8話 迷宮の中身

更新、遅くなりました。

楽しんでくれると嬉しいです。


街の門を出て、ダンジョンへの道を歩く。もう、この道にも慣れてきて、新たな刺激が欲しくなる。

……早く王都からぐらいは離れたいのだが。宿の飯が旨すぎるのが悪いんだな、うん。

考えつつ、歩く。

あー、そう云えば……どう云えば?まあそれはいいや。それで、アルマってのはどのくらいまで潜ったんだろ。

っつーか、あの迷宮の底って何層なんだろ。まあ、結局、俺には関係の無い事だが。

………………………………………。

はあ…。仕事とは言え、迷宮へ行くの、やだなぁ。あの魔獣共、気持ち悪いし。……。はっ。だからあのタルグ王は俺たちを呼んだのか。

あんな気持ち悪いのと戦う仕事に人気があるわけが無いしなあ。

…………。あいつがあまり悪い奴だとは思えなくなってきたな…。


考えつつ、ゆるゆるふらふら歩くうちに、迷宮に着いた。

仕事とは言え、嫌で嫌で仕方ない。だからこそ、気合いを入れようと少し深呼吸をする。

迷宮への階段を下る。


中は光の魔法が込められた魔石に照らされているものの、足下は危うい。

まあ、暗視のある俺には関係ないが。

いつものギルドの様子から考えれば、ここには相当の人がいるだろうが、歩いてみると、そう多くは見えない。

ただ、マップを使って見てみれば、この一階層だけでも相当広く、さっき気になったから深さも見てみたが230階層あるので、それは当然とも言える。

歩いていれば、後ろで、たっ、と軽い音がする。

振り向いてみれば、小鬼(緑)が俺の頭を打ち砕きに掛かって来ていた。


「ふっ!」


それに直様、蹴りを入れた。こんな所で石を消費するのも勿体無いと思ったからだ。

しかし、足を振り上げ過ぎたせいで、股関節に激痛が走った。

ズボンは割に柔らかめで破けなかったから良かったが。

ぐくああ。と、声を上げそうになるのをやっとで抑えつつ、左足の付け根を抑えて蹲った。

慣れないことは、するものじゃないな。心から思った。

幸いに、1、2分で回復してくれ、魔石を拾いつつ、冒険を再開することができた。

因みに、痛みに悶つつも、何かはしようとステータスを覗いたら気配察知のスキルが増えていた。あと、股関節軟化。後者いらねぇ…。とか思ってたら、ついでに、スキル消去が増えた。でも、魔法適正0のお陰で使えねぇよ。


※※※※※


あの後も粘水球やらと戦いつつ2階層へ到達した。

ここには、吐火花がいるわけだからなあ、注意しなければ。

考えつつ歩けば、やはり、居る。

前回は、どんな動きをするか見ておきたかったから近付いたが、服を燃やされかけたからな。

ここから、石を、投げる。


「よ」


今回は瞬弾を使った。

奴の姿はさあっと消えて、薄い青色の石が、そこへ落ちる。

ゆったりと近付いてそれを拾い上げ、歩くのを再開する。


幾らか3階層への階段に近くなる。

そんな辺りで、粘水球が、5体程群れていた。

取り敢えず蹴って散らすと、そこには、人の残骸があった。

服や皮膚なんかはどろどろに溶けていて肉や骨が見えている。左足の腿から先はなくなっていた。

迷宮に入ってもう三日目だが、こんな状態になった人間は初めて見る。

気持ち悪いぃ。昨日見た豚人の、レベル一つ下ってくらいにはっ。

だが、冷静になれてきた。一日目を思い出したら。

いつの間にやらできていたスキルで、生死を確認する。一応ね。

……………………………………。

まだ生きてる。うわあ。

しかしここまでは、意識がないのか、喉をやられたのかで、返事はなかった。

これは、どうなんだ?殺してしまったほうが楽なのか?

回復魔法も、今手に入れはしたが使えないし。この広いところで、回復持ちに会う、なんて方が、難しいよな。

………………………ふう。

殺してやるよ。

投擲。塵弾。

石が当たって、誰かさんの体は、塵になった。


「うぐ」


はあ、あ。

気を取り直して、と。

塵に埋もれた魔石を拾いつつ、歩を進めた。


※※※※※


昨日やっと到達した3階層、さっき到達した。

魔獣の容姿が気持ち悪いという思いは変わらないが、それに少しは慣れた。

そのおかげか、進む流れも速くなってきた。

やはり慣れは大事だ。

と、考えて歩くと、またも魔獣が現れた。

またも、と言ったのは、さっきも出たからである。

3階層になると、魔獣に出会う頻度が高くなるのだ。

今回出会った魔獣は、巨蛭。名の通り、でかい蛭のような魔獣だ。

昨日見た豚人の三倍くらい気持ち悪い。しかも多い。

豚人のが1なら、こいつ5って位の頻度。

あと、足が生えてるんだよ、この蛭。なんか異様に移動速いし。

50メートルを10秒で走れそうなくらいに。

まあつまり、近付かせないのが、良。

投擲。瞬弾。塵弾。

よっと。

ふう。いい感じ。

たた、と、小走りで近付き、魔石を拾う。

紫と茶色を混ぜたような、濁った色をしてる。

顔を上げると、すぐ先に蛭を見つけて。息を吐きながら立ち上がった。


※※※※※


くおお。

来た。やっと4階層だ。

さっきの階じゃ、巨蛭、豚人、時々小鬼と大量の魔獣が居て、進み難いったらなかったが、着けた。

時間的に、ここ一回りで今日は仕事終わりかなぁ。

なんて考えて、どんなもんだろうと辺りを見てみると、丈の高い草が歩いていた。

1.5メートル位あるな。

もう、驚きはしないが。

それほど気持ち悪くもないから、どんな物なのかと近付く。2、30メートル離れた所で見ていると、草から水の玉が俺に向かって飛んできた。

軽く横に避ける。

水魔法を使うらしい。それだけ分かれば充分。

投擲。瞬弾。

ほい。

石はきちんと草に当たり、草の姿は消える。後には魔石が落ちている。

たた、と駆け寄り、それを拾う。

仕舞おうとする、が、謎の違和感のためにそれをせずに鑑定する。

結果、魔石(水)、と出た。

つまり、(多分)水魔法が込められている訳だ。

使ってみると、5リットル程の水が出て、魔石は砕けた。

………………………………………………………。喉が渇いたときに、便利だね。

とか思いつつ、5階層を回り始める。


ふう。

……。うん。

この階層にはさっきの草、貯水草しか居ないらしい。

しかも、全て水が込められた魔石しか出さないから、すごく無用って感じ。

うーん。

まあ、仕方ないな。こういう事もあるってことで。

帰るかぁ。


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