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私がずっと下を向いていると、1組目の人間の女性冒険者が私の背中をさすりながら言った。


「どこか具合が悪くなった?私が泊まっている宿屋で横になる?うん。そうした方がいいわ。ちょっと、あんた達どきなさいよ」


人間の女性冒険者が私の腕を引っ張って宿屋へ連れて行こうとするが、その手を2組目の人間の男性冒険者が手刀で切った。


「ちょい待てやコラ。そうやって神官を手に入れようっていう魂胆だろうが、そうはさせねぇぞ。神官が今ここで誰かを選ばないかぎりどこにもいかせねぇ。だから早く選べ。俺の所を選んでくれれば手厚い看護が待ってるぜ」


そう言って慣れない笑顔を向けてくる人間の男性冒険者に、3組目のエルフの兄さんが鼻を鳴らした。


「フン、あなたの手厚い看護など受けたら、余計に悪化しますよ。彼女は私が保護します。三流冒険者は引っ込んでなさい」


「なんだと!」


2人は険悪ムードになってしまった。そこへ4組目のドワーフが割って入った。


「やめんか!お主ら!みっともない!ここはギルド内じゃぞ、ケンカは御法度じゃ。そんなにケンカをしたければ外ですればいい。その間にお嬢さんはわしのパーティーに入っとるかもしれんがの」


ホッホッホと笑うドワーフに、2人は一先ず争うことを止めた。


「お姉さん、僕、あまり看護は得意じゃないけど、してほしいことがあったら言って下さい。何でもします」


5組目の人間の少年冒険者が真剣な目で見上げてくる。


その目に映る私は酷く迷っていた。


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