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討伐数は1匹だけしか書かれていなかったので、今回は楽勝な依頼内容だと、3人でニンマリ笑った。
ギルドを出て、ホワイトバタフライが目撃された場所へと向かう。
鬱蒼とした森の中、一筋の光がさす大木の木に、ソイツはいた。
木と一体化したかのように、静かに止まっているホワイトバタフライをジェイクは足音をたてずに近寄っていく。
私達は息を潜めて、その様子を見守った。
剣が届く、あと少しの距離でジェイクの影に気づいたホワイトバタフライはその羽を動かし、空高く舞い上がってしまった。
そして私達の頭上を何回も旋回すると、空から白い粉を落としてきた。
「リエラさん、私、なんだか、苦しい」
シェイラが息絶え絶えに、私に言った。そういえば私も苦しい。
まさかホワイトバタフライの鱗粉は毒が含まれている!?
私はすぐに全員に解毒魔法をかけた。するとすぐにまともに呼吸することが出来たが、それも束の間。
「リエラさん、また、苦しく、なってきたよ」
やばい。このままじゃ・・・。
鱗粉が降り注ぐ場所にいてはいけないことは、全員がわかっていたが、私達が走って逃げたら、ホワイトバタフライも追いかけてきて鱗粉を撒き散らすのだ。
私はその度に解毒魔法をかけ続けた。