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外はすっかり暗くなっていた。ポツリ、ポツリと光るランタンが屋台を明るく照らしている。
その光源を頼りに道を歩いていたが、屋台から香る食べ物の匂いに私のお腹がグーと鳴った。
私は前を歩いていた2人に、ちょっと待ってもらって串肉を3本買った。
泊めてもらうお礼にと、2人に1本づつあげたあと、私は串肉を食べた。
おいしい・・・。
すぐに食べ終えた私は、次の屋台に目を滑らすが、2人が路地裏に入ったところで屋台の姿も見えなくなった。
なんの光源もなくなった路地裏は暗く、私は2人を見失わないように、よそ見せずに歩いた。
歩くにつれ、どんどん治安の悪そうな、というよりも貧民街に着いた。
私は戸惑って何度となく足が止まりそうになりながらも、2人の後を追った。
ようやく着いた2人の家はあばら家で、今にも倒れそうだった。
「どうぞ入って下さい。こう見えても頑丈に出来ているので大丈夫ですよ」
いやいやいや、危ないって。
あばら家の前で立ち竦む私をジェイクは無理やり腕を引っ張って入らせた。