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「そちらの少年を選んだというのは本当ですか?先ほど、ドワーフの方から聞いたのですが」
エルフの兄さんの問いに私が頷くと、人間の男性冒険者が悔しそうに唸った。
「ううー、ちくしょう。このエルフのせいで神官を逃しちまった。このエルフのせいで」
「私のせいにしないで下さい。どうせあなたは選ばれなかったと思いますよ。ガサツな男は嫌われますからね」
「うるせー、エルフ。また殴られたいのか?」
「あれはまぐれですよ。図に乗らないで下さい。あなたこそ私の弓でズタボロじゃないですか。次は心臓を貫きますよ」
「おう、やれるもんならやってみやがれ!」
また一触即発な雰囲気に私は思わず声をかけた。
「もうやめて下さい。私はジェイクのパーティーに入りました。ケンカはこれでおしまいです」
2人は私の顔を見ると、一瞬悔しそうな顔を見せたあと、冷静さを取り戻した。
「わかりました。お騒がせしてしまって、すいません。私はこれで帰ります」
エルフの兄さんはそう言うと、さっさとギルドから出て行った。
「ちっ、いけすかない野郎だったぜ。俺も帰るわ。じゃあな」
人間の男性冒険者もエルフの兄さんに続いて、出て行った。




