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普通の高校生が普通の異世界転生  作者: 闇岡ヨシハル
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6.肉人形

街を出て、5分も経っていなかった。

一匹のゴブリンが立っていた、実験開始だ。

油断なくゴブリンの様子を確かめて、俺は懐からある物を取り出した。

ある場所からそのある物をゴブリンのある部位へめがけて・・・・・・命中!!

途端にゴブリンはある状態におちいってうめき声を上げた。

予想通り成功だ。これで今後の戦いも楽になるだろう。

俺は上機嫌でその場を後にした。



更に5分後、馬鹿なゴブリンが一匹立っていた。

愚かなゴブリンであった。

殺す覚悟のあるやつのみが殺される試験にパスできる。常識なだが?

酷薄な微笑のままナイフを振り下ろす。ジュブぅと音がして首に突き刺さる。

覚悟をクリアできない者の末路としては常識なだが?

半端者に生きる資格は無い。サバンナの掟だ。



なんのかんので、ゴブリン三匹発見。

「ん」

俺の号令でシルザは突撃した。

「ん」

シルゼは難なくゴブリンの首を落として俺の元へ戻って来る。

「ん、よくやった」

「しゅじん様!!」

「ん」

頭を撫でてやると、シルゼは残りのすべからくゴブリンへ再突撃した。

「ん」

返り血を浴びて戦乙女のようなシルズを見て、すべからくゴブリン達はパニックに

おちいて、汚れた汁血を垂らして、すべからくゴブリンはシルズに討ち取られた。

「ん、よくやった」

「しゅじん様!!」

「ん」

すべからくゴブリンちょろ過ぎて、笑える。

ま、Fランの超簡単的な魔物なんで、手間取るほうが不可能的な訳だ。



つまり最初は緊張したけれど、ほとんど遊び半分で退治できたってわけ。

俺のパラメータも然る事ながら、シルザが優秀過ぎて目も当てられない。

顔もフレンチ人形のように美少女で、普段無表情なのもさらに美少女だ。

この日ようやく俺の中の青い果実が色付き始めた。

そう、転生して初めて異世界のガスを浴びて、芯が甘い香りを放ち始めたのだ。

俺たちの異世界ライフはこれからだ。

明日から本気出して迷宮が俺に輝けと囁いている。



「しゅじん様、ゴブリンの死体はどうしますか?」

「ん・・・・・・どうって?」

「食べますか?」

「ん? 食えるの?」

「ええ、マズいですが、一応、経験値に成ります」

「ん、食べると経験値に?」

「はい、職業レベルが上がります」

「ん、倒すだけじゃダメなの?」

「食べないと、経験値が入りません」

「ん・・・マズいんだよね?」

「でも、スープなら大丈夫です」

「ん、っと、スープは旨いの?」

「いえ、美味しくはないです。ただ誤魔化しは効き易いようで」

「食べたほうが良いの?」

「無理にとは言いませんが」

「経験値はどのくらい?」

「ゴブリン5匹分です」

「・・・ん。ゴブリン一匹でどのくらい?」

「・・・・・・。ドラゴン一匹でゴブリン7匹分。ダークローパー一匹でゴブリン5匹分です」

「そう・・・か。じゃあ今日の所は一匹だけ食べよう」

「畏まりました、ではバラします。残りはどうしますか?」

「ん、捨てといて」

「ええ。埋めるのと、撒くのと。どうしますか?」

「ん、どう違うの?」

「撒いておけば肉を食べた獣や魔物がレベルアップします、埋めておけば数ヶ月でゾンビに成ります。ゾンビの肝は薬に成ります」

「ゾン・・・細切れにして、土に埋めたら?」

「土の栄養になるでしょう」

「じゃあ、それで」

「畏まりました」



慣れた手つきでシルザはゴブを解剖しはじめた。

俺はこの世界でやっていけるんだろうか。

明日からが憂鬱だ。

今日の晩飯からだ。

レベル上げが別の意味でハードモード。冗談じゃねえ。



シルザが片手間に話した。経験値を持っている肉は大抵ビミョーな味らしい。

旨い魔物は過去に王侯貴族に乱獲されて迷宮深層にしか残っていないそうだ。

また魔物肉の調理には歴史の浅からぬ創意工夫が凝らされているものの、ゴブリン肉に関しては「癖の無いマズさ」がネックとなり、未だに抜本的解決が図られていない。

ゴブリンの調理法にはかれこれ三百年も懸賞金が掛けられている。

食糧問題、軍備防衛上の問題を一挙に解決できる可能性が存在するという。



すべからく食べて良いのは、食べられる覚悟のある物だけだが?





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