3.音速の若さ
朝だった。
効率的選択がうまく発動したようだ。
肉体の状態を上体を起こして確かめる。
体は5歳の少年くらいよりも大きく成っていた。
中学生、くらいか?
「ん?」
「ご主人様、朝です」
「おはよう御座います。御主人様!」
「あさだ、ごしゅじん」
「おはようございます。ご主人さま」
「おはようです。御しゅじん様」
「ご主君、おはよう御座います」
「おはよう御座います。主様」
「おにい様・・・」
「おはよう御座います。マイロード」
「御主人様、おはよう御座います」
「ご主人。おはようなのじゃ」
「おはようあるじさまぁ」
「おはよう御座います。御主人!!」
「旦那様。おはようございます」
「パパーごはん」
「おはよう御座います。御主」
「主君さま、お早いお目覚めで」
「おはようなのよ、御主人様」
「・・・・・・主・・・」
「おはよう御座います。しゅじん様」
呆然とする俺、女の子が、ひい、ふう、みい・・・二十。
俺のベッドの脇にずらりと整列して、みんな心からの笑顔である。
「ん、妙齢だね」
「みょう・・・れい・・・?」
「若いって意味だよ」
「はぁ、そのまま、若いじゃダメなんですか?」
「・・・・・・」
「・・・すみません」
「ん・・・で、何処?」
「・・・どこ、とは?」
「・・・誰?」
俺は格好良く誰何する。少女は誰何されて固まった。聞こえなかったか?
そんなに俺の誰何がそんなに誰何っぽくなかったのだろうか?
そこから二時間ばかり大パニック寸前だった。
記憶喪失だの、他に女ができただの、捨てないでだの。
落ち着いてもらうのだけでも大変だった。ま、可愛い女の子ばかりだったからそんなに大変とも思わなかったんだが。
閑話休題
んで、分かったこと。
メイドの名前は、ヒスイ、エルザ、エリー、リリアナ、シャル、ルルザ、エルザルザ、ミリア、リリーザ、エリゼ、メリーゼ、ルイズ、イリーゼ、マリア、エリーズ、ルイザ、イルーザ、リゼカ、ルイーゼ、シェルザベル。
「ん、みんな仕事に戻って。っと、シェルザベル・・・シェルザ、朝食を持って来て、その後少し話を聞かせてくれない?」
「畏まりました」
なんでシェルザを指名したかというと、プラチナブロンドの髪をツインテールに結わえた美少女ミニスカニーソヴァンパイアだったからで、別に深い意味はない。
閑話休題
ちなみに、ヴァンパイアといっても二六時中吸血衝動があるかといえば当然否。
閑話休題
しかし衝動状態の時はだいぶつらいみたいだけど、ってそれは当然か。
閑話休題
みんなが部屋を出て行ったのを確認して現在の状況も確認的な意味を込めて、
「ん、鑑定」
すると。
これ。
バルバロイ・デュボワ 1245・8・8
人間
無職Lv65
HP 100 [100]
MP 6 [7]
筋力 100
体力 252
知恵 3
精神 4
EXスキル
・鑑定Lv1
・効率的選択Lv4
時間指定
過去ログ
観戦モード
スキル
・体術Lv5
頭上を現実が音速で行き過ぎて思考が追い付かない。
俺の頭痛はマッハで痛かった。