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危険な太陽  作者: 裟久
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5章

第五章【頭】









『おまえが鷹邸大か…確かに調子にのったような面してんなぁ…』




『…』




入学して一学期も終わってないというのに大は3年生から屋上に呼び出しをくらった。




大が屋上に着くと鬼多高校の頭の谷山とその連れの西野と工藤が立っていた。







ったく…

めんどくせぇ…







『鷹邸!てめぇ三凶を倒したからって調子にのってるんじゃねぇぞ!谷山君に勝ってから偉そうな顔しな…!!』



…別に偉そうな顔してねぇだろ…






大はだるそうな顔をしながら三人を見た。谷山はオールバックに口ピアスを付けて太い首をボキボキ鳴らしている。




『で?なんで俺呼び出されたんだ?』




大は長身の谷山を見上げ睨みながら聞いた。




『馬鹿か…てめぇがあんまり調子にのってるからボコボコに…っ!!!?っ!!!!///』




谷山が言い終わる前に大は谷山の顔面に右ストレートを見舞った。




谷山は無様に一発でノックアウトされた。




『てめえ…谷山君になにしてんだぁ!!』




西野が大にハイキックを入れようとすると大はその足を握り妖笑すると足首を握り背負い投げのように西野を床に叩きつけた。






工藤はバットを握り大に襲いかかってきたが大の前蹴りが溝にヒットしあっけなく倒れた。






…弱すぎてつまんねぇな…






大は屋上から立ち去り教室に戻った。昼休みでそれぞれ昼食をとっていた。




穏やかなクラスメイト達も大が入ってくると一瞬シーンとなる。熊に勝った人間なんて不気味だ。




大はそんなアウェイな空気にもすっかり慣れていてベランダに出るとタバコを吸い出した。






そんな大だが…

女子には密かに人気があった。




クラスの女子達がタバコを吸っている大を教室から見ながらコソコソと話している。




『見て!!鷹邸君!!タバコ吸ってる〜♪かっこいい///』




『三年の先輩に聞いたけどさっき鷹邸君谷山先輩に呼び出されて逆に先輩をボコボコにしちゃったらしいよ〜//しかも!3対1でだよ!!』




『めっちゃ強いじゃん///さすが熊に買った男♪』



噂は噂を呼び女子の中ではクールで強い男鷹邸大は定着していった。その人気は学年を越え2,3年生にまで及んだ。






そんな噂を聞きながら顔を赤く染めて大を見つめる女子がいた。




京子だ。




大に熊から助けてもらって以来京子の中では大がヒーローのような物だった。






タバコを吸い終えて教室に入ると翔が教室に入ってきた。




『大!大丈夫だったか?谷山に呼び出されたんだろ?』






翔は違うクラスだというのにでかい声で大に駆け寄ってきた。




『…大丈夫だ..何そんな心配してんだ?』




『だっておまえ谷山っつったら鬼多高の頭だぜ?』




『…ιあいつがか?』




大は少しがっかりした。大好きな喧嘩が同等にできそうな男がこの学校にはいないということだ。




『さすが大だな!!!無傷とは…』




翔は大をくまなくみながら言った。





『ん?…待てよ…てこたぁ,今日から鬼多高の頭って大じゃねぇか?』




『…は?』




翔は興奮気味に言った。

言っていることは間違っていなかった。

この日から大は一年生にして鬼多高の頭になった。












その日も大はアルバイトに出向いた。商品が入っている段ボールを運ぶのにも慣れてきた。

高い時給だけあって重いものばかり運ばされるが大にはなんてことのない作業だった。




そんな大を密かに京子が見ていた。京子は大がアルバイトに出る時間帯は決まってこの大型スーパーにやってきて気づかれないように大を観察していた。




京子は大のストーカーのようになってしまっていた。

内気な京子は友達も少なく大に話しかける勇気も無いため,このような手段で大を知ろうとしたのだ。




鷹邸君…

今日もかっこいいな…///







大はそんなこととは知らずに夜まで精一杯働いた。






翔は頻繁に大のアパートに遊びに来るようになった。

必ずと言っていい程自分の家の晩飯を持ってくる。

貧しい大に密かに力を貸したいと思っているからだ。その日は肉じゃがを持ってきてくれた。




『毎回わりいな…』




『いいんだよ♪男の一人暮らしなんだ…ろくなもん食べてねぇだろ?里香チャンも部活に入っちゃったしな〜寂しいだろ?』




『ばっ//馬鹿言うな…//忙しくなってせいせいしてんだよ...』




『ハハハ...照れんな照れんな!!』



翔はニィっとからかうように笑った。里香はバスケ部に入部した。早苗と奈美も一緒だ。




大は翔にからかわれ少し顔を赤らめながら肉じゃがを食べた。翔はタバコを吸いながら微笑み大を見た。






二人の友情は時が経つのに比例して深まって言った。








次の日…

事件は起きた。






大が昼過ぎに学校に行くと机の上に翔の携帯が置いてあった。



なんだ…

翔の携帯がじゃねぇか…




大が何気なく携帯を開いて見ると殴られてアザだらけの翔が写っていた。




…!!!!?




大は焦り写メを何度も見た。腫れていて分かりにくいが明らかに翔の顔だ。




翔の携帯のバイブが鳴った。

どうやらメールが届いたようだ。




[鷹邸、今夜9時に白岩橋の下に来い]




大は拳を机に叩きつけた。




…だれがこんなことを…







…ゆるさねぇ!!!!!





ご購読ありがとうございます!次話もよろしくお願いします♪

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