第六番=東条瑞鬼=
深山君のモデルになった人は、ウチの学校の生徒会長なんですが(名前は全く違います)、実は、生徒会の会計監査の一年生の苗字が深山ということを最近知った・・・。
「・・・東・・・条・・?」
「・・・・・・?」
「いや、その。勉強、頑張れよ!」
こういうのを、胸糞悪いって、言うんだろうか・・・。
「深山君も・・・部活、頑張って・・・」
「!ああ!」
サイアク
「失礼します」
「やぁっときたか・・・」
帰りのホームルームが終わってから、それほど時間が経っている訳でもないのにな・・・。
「?そんなに待たせましたか?私・・・」
「いや、そーゆー意味じゃぁねぇんだよ。なんかこう、誰かと話した後一人で居ると妙に時間経つのが遅く感じるときがあるんだよ」
?私が来る前に、誰かがここにいた・・・?
「はあ・・・芥川先生・・・」
「ん?」
「誰かと、話してらしたんですか?」
「・・・・・・」
先生の表情が固まっている。他人には言えない関係の相手ってことなのかな・・・?
「先生にも恋人なんか居るんですね」
彼は、私のそんな突発的な質問が予想外だったらしく、噴水のごとくコーヒーを噴出した。
「おげっ!げほっ!ごほっ!はっ!?いや、何でそうなる?」
「質問されて、流しもせず答えもしない芥川先生なんて珍しいと思ったので・・・もしかしたらと・・・」
「・・・・・」
「もしそれなら、来ない方が良かったですか?」
本当に恋人なら、私がいたら邪魔なのでは?
「・・・芥川先生?」
「・・・・・・その、おまえさぁ・・・」
「はい」
彼の、滅多に見せない笑ったような、悲しそうな顔。私は何か彼の気に触るようなことを言ったのだろうか。
「?先生?」
「ま、いっか。お前、コーヒー飲むか?」
ああ、そうか。相手にとって都合の悪い話は流され、私はそれが知りたくてムカムカする・・・。
こういうのを・・・
「ビーカーで作ったコーヒーなんていりませんよ、それより話を逸らさないで下さい」
胸糞悪いっていうんだ。
瑞鬼は結構痩せてます。脂肪はないですが筋肉もないです。