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第4話

「イネスがやられたっ、BへSの装備補充を要請する」

「イエス! Sは即補充へ向かってください」

「くっ…イエス。ガードナーにやられるなんてシューターとして屈辱だわ。でも、もう通じないわよ?」

 そう捨て台詞を吐きながら、イネスは本拠地に引き上げていく。それを見届けトキも盾の高速回転を解き、ワイヤーをパージする。

「ふっ…初期型の弱点がこんなにきついなんて…流の体力馬鹿には敬服する…」

 ここで思い出して欲しい、初期型外骨格が使用されなくなった理由だ。以前のサイトに掲載されていたものには大小で約30項目だったが一番の障害になりうるのは…。1、レギュレーションにより体表面の7割以上が装甲もしくは装甲に変わるもので覆われていること。2、内側よりの筋力補助がほぼ無いため、操縦者の体力が持続せず戦闘が数分ほどしかできないこと。3、使用しているG-1の強度・供給の問題。これらが大きな問題である。1・3は今現在の技術を使用しほぼ完璧に弱点を補えているが2に関してはそうはいかなかった。G-2…つまり、ブリュンヒルデシリーズの後継機からは、戦闘時間の拡大を目的に機体の大幅な見直しが加わった。全身を動かすのは機械の力のみという構造になる。もちろん流たちも現代のG-6の乗り手である以上、長時間、自分の筋力まかせの機体を運用することは不可能。それゆえの短期決戦である。

「B-GよりB-Oへ…相手リバイブの-30まで中立ポイントで休息する…」

「B-O、承認します。ひとまずはこちらの優勢ね」

  その言葉を聴き、トキに笑みがこぼれる。しかし、この時間も惜しい。即座にガードナー専用の広域移動用ランドスピナーを展開する。

 もちろん、G-1世代がG-6世代にすべて劣っているということではない。G-6の機体は大幅な見直しによりブリュンヒルデシリーズの約3倍の大きさになり、重量で言えば5倍という結果となる。それゆえ、G-1の取り回し・移動速度は最速といっていいだろう。

「現在、中立ポイントまで+10Kmというところ。エネミーの配置を!」

「E・エネミー・シューター+90Km E・エネミー・ガードナー後方より+40Km」

「了解。E移動手段の解析終わったの? また、一気に詰められるって事無いでしょうね?」

「現時点での解析結果を送ります」

 その結果を見たイネス・アールは怒りを露にしコンソールをたたきつける。

「最初の一撃は、攻撃のためではなく広範囲移動用兵器ってどういうことよ!」

 グングニルの性能について、「エデン」の見解は的を得ていた。グングニルとは、突貫力を犠牲にし表面に施された細工によりスリップストリーム、いわゆる乱気流を発生させグングニル後方にあるものすべてを巻き上げながら進んでいくというものである。

「もしそれが本当なら私たち舐められてるわね」

「S…もう一対一の美学なんて関係ない、G=Sのスタイルでいく。銃弾の比率はR80 G70に変更してリバイブして」

「イエス、やつらを敵として再認識する」

「「つぶす! !」」

 そのころ、アリスは何もしていなかったわけではない。バックアップをB-Oに委託したとはいえ、戦闘空間の変化・操縦者のバイタルなどを把握しすべてを運用していく現場での司令塔だ。

「ふ~ん? オカマは退散したけど兵装補充だけで時間はあまりかからないかな? しかもこのルートだとグングニル回収されちゃったかも…。E二人は交戦中…。 B-O! B-Sは中立ポイントへグングニル使用し移動します。約112秒通信遮断しますのでバックアップを」

「了解、B-Gも+40秒でそちらに到着。しかし、敵Gが+12秒で先に到着します。交戦に備え、兵装を広範囲より近距離へ切り替えてください」

「了解。さぁ…グングニルっ、お仕事よ!」

 再度、アリスがグングニルを使用し新しい戦地へ移動を開始した。

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