第2話
3人がかりでブリュンヒルデシリーズをサブ機を含め4体見つけ出したのだが…。
「で…だ。これどう整備したらいいんだ?」
「扱える金属ではあるが…今更ながらG-1なんて製造するのめんどくさいよな」
「プログラムもバグだらけ…こんなおつむの子初めてですわ」
「「「はぁぁぁぁぁ」」」
それもそのはず、いくら当時最高スペックといえど、現時点の練習機にも負けるであろう。バージョンの差は歴然なのだ。
「せっかくの女神様も今となっては、忘れられた存在って言うのか」
流がぼそぼそと話している間に、PCを覗いているアリスへトキがといかける。
「なぁ、アリス?たとえばなんだけど今の機体から頭だけ載せ変えるって事できないのか?」
「本来なら難しいですけど、この子達のおつむは基本しか入ってませんの。ですから、上書きすることは可能ですわ。逆に言えば、私たちの思うように育てることができるって事ですわね」
アリスの発言にトキは、ある引っ掛かりをおぼえた。
「なぁアリス? 何でブリュンヒルデシリーズが使われなくなったか調べられないか?」
「簡単ですわよ? 調べる途中で見つけたサイトが… これです。」
「流! 仕事始めるぞ! アリスはOSをある程度までいじっててくれ」
トキの中ですべてがつながった。それを聞いて流も立ち上がり。
「いいねぇ、トキのその顔久しぶりに見たぜ。そういうときのお前は、最高だ!」
「アリスの次になら愛してやるぞ?」
「馬鹿言え、はじめるぞ!」
そうしながら、3人は「エデン」との対戦までメンテナンス&アップデートを繰り返した。
大会当日、イベントガーデンで両チーム立会いの下ステージの説明が行われた。
「今回で引退を発表した「ロキ」最後に花を飾れるか? それとも、「エデン」の常勝というあっけない幕引きか? 今回のステージは…霧の立ち込める森林地帯となりました! それでは両者握手ではじめましょう」
両チームが歩み寄り握手をしているが両チームの間では。
「エッジのレオンが言わなきゃ眼中にもはいらなかったものを…せいぜい狩りを楽しませなさい?」
「アールおばさんこそ、狩人が負けたらみっともありませんからせいぜい負けないようにね?」
「アリスちゃんまたあったわね? 同じシューター同士なかよくしましょ?」
「私、オカマにも男性にも興味ありませんの。汚い手で私の手に触れないでいただけるかしら?」
両者、火花を飛ばしている間、流とレオンとで静かな空間が支配していた。
「お前ほどのエッジがいなくなるのは残念だ。因縁の戦いをここで終わらせる」
「はっ!また私たちの勝利で終わるだろうけどな。「ロキ」はまだ、死んでいない!」
「おもしろい、お互いにベストを尽くそう」
そして、二人が荒々しく握手をした瞬間レオンが流を自分に引き寄せた。
「この試合が終わったら、俺の下に来い」
「ちょっと! ! いきなりなんだよ」
それを見たトキとアリスによって流を引き離し。
「何言ってんだ! 馬鹿野郎が! アスレチックでボッコボコにしてやる!」
そうして、女神達の出番が訪れたのである。