第71話 キリンとコアラと姫乃ちゃん
フラミンゴを見終えた俺たちは、続いていろんな動物を見て回る。
ゾウ、キリン、サイ、ウサギ、ダチョウ、クマetc...。
「そういえばキリンって実は強いらしいよ。この前テレビでやってたの」
「強いってなんだよ? だってキリンは草食動物だろ?」
やれやれ、小春がまたアホなことを言い出したな……と俺は思ったのだが。
「襲ってきたライオンを蹴り飛ばして返り討ちにして、ライオンがキャンキャン鳴きながら逃げてくくらいには強かったよ?」
どうやらマジで強かったらしい。
「そんな強いのかよ!? さすがに見くびってた! ごめんなキリンさん!」
「私も知りませんでした。すごいんですね、キリンさんって」
舌をベロベロ出しながら、アホ面でのほほーんと葉っぱをムシャっているキリンは、とても強そうには見えないんだけどなぁ。
そしてそんな動物園の仲間たちの中でも、特に、可愛くてモフモフで珍しい動物たちに、小春や姫乃ちゃんはそろって興味を示していた。
例えばコアラだ。
「コアラ、木に捕まったままで1ミリも動かないね?」
「動かないな。しかも全員が全員だ。まさか昼間から寝てるのか?」
木にしがみついたまま、まったくやる気を見せないニートなコアラたちを見て、小春と俺が怪訝に思っていると、姫乃ちゃんが言った。
「コアラの主食のユーカリは栄養価が低いうえに、含まれる毒を解毒するのに時間とエネルギーを使うので、コアラは活動量を限界まで減らして、一日のほとんどを寝ているそうですよ」
「へー。さすがひめのん、詳しい~♪ 専門家みた~い!」
「やっぱり姫乃ちゃんは物知りだなぁ」
「いえあの、そこの動物紹介に書いてある説明を読んだだけなのですけれど……」
姫乃ちゃんが指さしたコアラの説明プレートには、さっき姫乃ちゃんが言ったようなことがそっくりそのまま書いてあった。
コアラゾーンに来てからずっと、動かないコアラしか見ていなかった俺と小春とは違って、姫乃ちゃんは視野が広いようだ。
「さすがひめのん、めざといね~♪」
「灯台下暗しってやつか。そこに気が付けるのは、さすが姫乃ちゃんだよなぁ」
「えっと、ありがとうございます……?」
俺たちに褒め褒めされた姫乃ちゃんは、小さく苦笑しながらうなずいたのだった。
しかしなんと言っても、今日の目玉といえばジャイアントパンダである。
「じゃあそろそろパンダしちゃおっか?」
「ああ、パンダタイムの始まりだな」
「私もすごく楽しみです」
というわけで、俺たちは本日のメインイベントであるパンダエリアへと向かった。




