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第61話 初恋モノローグ&今恋モノローグ

◇初恋モノローグ◇ ~二宮姫乃~


 球技大会が終わった日の夜。

 私は自分のお部屋で入念にストレッチをして体をほぐしながら、今日という日を振り返っていました。


「信じられません。球技大会で優勝しちゃいました。しかもシュートも決めちゃうなんて。それも5本も。現実感がなさすぎて、今でも夢かと思っちゃいます」


 本当はまだ夢の中にいて、起きたら球技大会の日の朝なのでは? なんてことすら考えてしまうほど。


 なにせ球技に限らず、運動という運動がことごとく苦手だった私は、運動会や球技大会といった体育系イベントがずっと苦手でした。


 特に真冬に行われるマラソン大会なんて、

「これはいったい何の拷問なんでしょうか?」

「文部科学省は何を目的に、このような非人道的なことを子供に課すのでしょうか?」

 そんなことを考えては、半月前から憂鬱で胃が痛くなってくる──そんな人生を送ってきました。


 逆上がりだって、勇太くんに教えてもらうまでは6年生の中で自分一人だけができませんでした。


「そんな私が試合でシュートを決めて、クラス優勝もしちゃうなんて……それもこれも勇太くんのおかげですね」


 勇太くんは、私にでもできることを厳選してくれました。

 そして勇太くんが決めたことなら、私はどんなことだって信じることができます。


 そして私が信じた通りに、今回も最高の結果を出すことができたんです。


 勇太くんと再会してからの私は、本当に幸せいっぱいで。


「こんな幸せがずっと続けばいいのに──」


 私はそう思いながら、入念にストレッチを続けたのですが――。


 翌日、私は人生一の強烈な筋肉痛で、一日中ヒーコラ言う羽目になったのでした。


 ……それだけ球技大会、頑張ったんだもん!



◇今恋モノローグ◇ ~小鳥遊小春~


 球技大会の日の夜。


「つーかーれーたー!」


 アタシはお風呂から上がると、疲労感もあって、髪を乾かすのもめんどくさくなって、勢いよくベッドにダイブすると、両手両足を大の字に広げた。


 熱いお風呂で血行がよくなった身体が、気持ちよく弛緩する。


「ふー……」


 ダラっと身体を投げ出したまま深呼吸をすると、自然と今日の球技大会のことが思い起こされる。


「小春ちゃん、大活躍の巻――なんちゃって」


 だがそう言っても過言ではないはずだ。


 なにせ1組女子のエースとして、全試合でチーム得点の半分以上をたたき出したのだから。


「ユータも褒めてくれたしね」


 褒め褒めして、なでなでしてくれた。

 まったく、ユータってばすぐに甘やかすんだから……むふふ。


 ついつい、変な笑みがこぼれてしまう。


 つまりは、ひめのんも頑張ってたけど、やっぱりアタシが一番頑張っていたと思うアタシなわけだった。


 勉強はひめのんが学年主席だったんだから、運動くらいはアタシが勝たないとバランス悪いし?


「ふぁぁ……。なんか眠くなってきちゃった。うん、寝ちゃおう……おやすみなさい」


 アタシは睡魔に誘われるように、すぐに眠りに落ちてしまった。

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