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第20話「センセー、ユータくんの視線が露骨にえっちですぅー」

「ちょ、なんでブラウスだけなんだよ!? スカートは!? なんで履いてないかな!?」


 上だけでなく下もセンシティブ判定をくらうこと間違い無しの小春から、俺は慌てて視線を逸らした。


「もぅ、いきなりそーゆーこと指摘するとか、ユータのえっちー」

「これで俺が非難されるのは、極めて理不尽だと思うんだが……」


 そんな淫らな格好してたら、そりゃ指摘くらいするだろ?


「だってスカート脱がないでベッドに入ったらシワになるでしょ? 一度シワになったら、アイロンかけても同じところにシワができちゃうんだから。新品の可愛い制服なんだから大事に使わないとだもーん」


「それはそうなんだろうけどな? 言い分はわかるんだが、俺が言いたいのはそう言うことじゃなくてだな。もう少し恥じらいを持ちなさいと言いたいわけだ」


「とかなんとかもっともらしいことを言いながら、何度もチラ見してくるんですけどー? センセー、ユータくんの視線が露骨にえっちですぅー。言ってることとやってることが、ぜんぜん違ってますぅー」


「うぐっ……」


 そりゃチラ見くらいするだろ!

 こちとらKENZENな男子高校生だぞ!

 可愛い幼馴染みの半脱ぎの制服姿とか、むしろ興味津々だっつーの!


 そうでなくとも小春は魅力的な女の子なんだからさ!

 む、胸も大きいし!


 ──とはもちろん言えない。


 余計なことを考えてしまったせいで、さっき小春の胸を触ってしまった時の柔らかい感触をつい思い出してしまったのだが、もちろんそれも言わなかった。


「あーあ、ユータの視線がえっちぃから、さっさとスカートはいちゃおっと」


 言いながら、小春は俺の勉強机のイスの上に置いていたスカートを手に取って履いた。

 次にブラウスの乱れを直すと、リボンタイを着けてブレザーを着る。


 それをチラ見で確認してから、俺は小春に向き直った。


 目の前にはどこに出しても恥ずかしくない女子高生・小春がいた。

 赤いリボンタイのブレザー制服がとてもよく似合っている。


「どう? かわいい?」

「小春はいつも可愛いよ」


 素直に褒めると、


「えへへ、やった♪」

 小春は満面の笑みとともに、口元で両手をグッと握った。


「まったく、小春は朝から元気だなぁ」


「朝だから元気なんじゃん? 夜は1日の疲れでヘトヘトでしょ?」

「まぁそうなんだけど」


「そんなことよりユータも早く朝の用意しないとだよ。いつまでベッドの中にいるつもり? ちょっと時間が押しちゃってるんだからねー」


 時計を見ると目覚まし時計の鳴った時刻から既に15分が経過していた。

 目覚ましは10分早めにセットしているので、差し引き5分の遅れということになる。


 朝の5分がどれほど大事かは言うまでもない。


「だな。すぐに着替えるから先に居間に行っててくれ」

「はーい」


 小春が部屋を出るとすぐにトントントンと可愛らしく階段を下りていく足音が聞こえてくる。


「小春ちゃん、いつも起こしに来てくれてありがとうね」

「いえいえー。幼馴染みですからこれくらい普通ですよー」


 階下からそんな会話が聞こえてくるのをしっかりと確認してから、俺はベッドから抜け出した。


「さてと。俺も顔を洗って着替えるか」


 小春がいる時にベッドから出られなかった理由は、察してほしい。


 下はパンツのみ、上は乱れたブラウスの可愛い幼馴染みが、ベッドに入ってきて甘えたしてくる経験のある男子高校生なら、皆まで言わなくても分かってくれると思うんだ。


 その後、着替えると、小春と母さんと一緒に朝ご飯を食べてから、俺は小春と連れ立って高校へと向かった。


 座れはしないものの、満員ラッシュには程遠いたいして混んでいない電車に、小春と一緒に揺られること数駅。


 高校最寄りの駅で降りると、改札を出たすぐ脇のところで、


「おはようございます勇太くん、小春ちゃん」

 笑顔の姫乃ちゃんが俺たちを待っていた。

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