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入学決定
「お預かりしますね」
受付の女性がリングを受け取る。
何とか紅陽が炎で泡を処理した後に来たので、どうやら最後だったようだ。
受付前には既に25人が揃っていた。
「へぇーキミが」
「あの死の泡を出したの?」
水色の髪をした子供2人に声をかけられる。
「……」
白月は素早く下がり、紅陽の服を掴む。
「詳細は秘密だよ?」
口元に人差し指を当てながら紅陽がウインクする。
「ちぇー」
「ケチー」
2人の子供は唇を尖らせながら去っていった。
「ところで紅陽、気付いてる?」
紅陽にしか聞こえない声で白月が問う。
「もちろん。何だろうね」
と答え、わざと分かるように目線を向ける。
相手はフードを深く被り、全身を覆うローブを着ていた為、顔どころか体格や性別すら分からなかった。
「皆様お待たせ致しました。只今より入学式を行ないますので、集会所へご案内致します」
受付の女性が言い、踵を返し歩き出す。