2、学校にて
登校中の会話から、学校生活に入っていきます!
「う~っしょ」
「なんだよいきなり」
「肩こるんだよね~最近」
「あ、そ」
成り立っているのかわからないような会話を繰り広げている少年たち。
冬人と海村である。
校舎に入っていきなり、人生の終わりのような顔をした冬人とは逆に晴れやかな顔をした海村が能天気に背伸びをしていた。
冬人は、「なんか楽しそうでいいよな」嫌味を混ぜて聞いてみる。
「そうかなぁ?いつも通りだぜ」と受け流すかのように海村が答えた。
「まぁまぁそんな暗い顔すんなって、まぁ暇だけどさ」と微妙に軽快なステップで廊下を歩いていく。
「しゃーねぇか」冬人は教室のドアをまるで重いかのようにゆっくりと開けた。
「おっす、坂崎ぃ」
「おぅ、坂崎ぃ」
同じような冬人を呼ぶ声がいくつか聞こえた。
「うぃっす、またいつもの面子か」「おうよ」
そんな会話をしながら壁際の席へ腰を下ろす。
「ふぅ・・・」鞄から教材を取り出し引き出しへ、鞄をロッカーへ、15秒ほどぼーっとしていた冬人に「宿題やったか?」と海村。
「宿題!?」と冬人は驚いた。「あったのかよ…」
「プリントだ、あるんじゃね?」
「おぉそうか…」ガサゴソ…ガサゴソ…
「・・・・・。」
「ないのかいっ!!珍しいじゃないか」
「年だな。(笑)」冗談混じりに言ってみる。
「そーだねー」
受け流された。
すると、
「は~い、少年たちぃ席着けぇい」
ところどころあごにひげを生やした40代前半ぐらいの男が教室に入ってきた。
「おぅ坂崎。」
なぜ俺なんだ…
「どうも、牧村センセー」
「元気か?」「はい。」「よし。オッケー」
何がだ。
「おっしゃ、出席とるぜぃ」
牧村《牧村》先生。冬人の担任である。
「うし、全員いるね、オーケーオーケー」
名簿をドサッと置き、明るい声が教室に響いた。
「今日はものすごい発表があるぞぉ」
「「何すかー?先生」」
「「教えてー牧村さん!!」」
先生に対して「さん」づけ・・・
冬人は毎日びっくりしていた。先生が「さん」と呼ばれていること、先生がそれに反応しないことに。
だが、こんな事より驚くべきき事が、冬人、冬人のクラスに起こった。
「うちに転校生だ。」
一同が唖然とした。
次は転校生の登場です。
少々短いですが気にしないで頂けると嬉しいです。