暖炉のパスワード
暖炉の炎が輝く
秘密のパスワードに乗って
炭素と酸素が踊る
踊りの熱が赤く燃える
暖炉の炎が光る
秘密のパスワードに乗って
視細胞に光が吸われる
踊りの画像が脳に届く
暖炉の熱が届く
秘密のパスワードに乗って
皮膚の原子が揺れる
踊りのリズムに合わせて顔が紅くなる
私が知る自然のパスワードはほんの一片
暖炉に隠されたパターンはまだまだある
暖炉の炎は揺れる
秘密のパスワードに乗って
上昇気流や空気が舞う
踊りのα波の揺れが心地よく
暖炉の炎は鳴る
秘密のパスワードに乗って
薪の中の水が弾ける
踊る水蒸気がパチパチと
暖炉から煙が登る
秘密のパスワードに乗って
湯気が立ち昇る
踊る炭酸ガスと共に
私はもっと自然のパスワードを知りたい
暖炉に隠されたパターンはまるで宇宙だ
暖炉の炎が香る
秘密のパスワードに乗って
薪の香りが漂う
踊りの熱気が鼻に染む
暖炉の炎が消える
秘密のパスワードに乗って
灰と煙が残る
踊りの記憶が空に散る
暖炉の炎が夢になる
秘密のパスワードに乗って
仮説と現実が錯綜する
踊りの感覚が心に残る
私が知らない自然のパスワードは無限にある
一つ一つパスワードを解いて自然を知りたい
炎の熱は化学反応
炎の色は温度の証
炎の形は空気の流れ
炎の音は薪の割れた音
私が求める自然のパスワードは普遍の法則に基づく
一人一人は パスワードを交換して理解しあえるはずだ
炎のパスワードを交換して
君と僕は手をつないで
炎のパスワードのリズムで
君と僕は身振り手振りで踊りだす
炎のパスワードを共有して
君と僕は自然を理解する
炎のパスワードを音にして
君と僕は一緒にメロディを歌い出す
炎のパスワードは言語となり
君と僕はお互いを理解する
炎のパスワードを言葉にして
君と僕はお互いの想いを伝えあう
お読みいただきありがとうございました。
※「パスワードを交換して」と描きましたが、ここでの、パスワード、は自然を紐解く法則、ひいては、人と人がコミュニケーションする媒介として使っています。一般のセキュリティ保護のパスワードは人に教えてはいけません。
※炎の熱は、燃料(薪)と酸化剤(酸素)が化学反応(燃焼)を起こすことで発生します。炎の色は、炎の温度によって変わります。温度が高いほど青く、低いほど赤くなります。炎の形は、空気の流れによって変わります。空気が炎に吹き付けると、炎は傾いたり伸びたりします。炎の音は、薪の中に含まれる水分が熱で蒸発するときに発生します。水分が蒸発すると、薪の生体の組織が破裂して音が出ます。