4話 義弘視点
初投稿です
至らない点もあると思いますが温かい目で見ていただけると幸いです
義弘は困惑していた。
甥である忠豊が弟である家久が生きていたというのだ。
義弘にとって家久はかわいい弟であった。
4兄弟の中で1人だけ母が違ったが弟には変わりなく、兄ももう1人の弟も家久を可愛がっていた。
だが、あのハゲネズミ豊臣秀吉が九州に侵攻して来た。
今まで苦楽を共にした家臣達もかなりの数が死んだ。
重臣達でさえ寝返っていった。
そして家久も死んでしまった。
兄と弟の見解は、何か理由があって切腹したのだろう。
そしてその死は確かに役に立った。
秀吉に家久暗殺の疑いをかけ日向は諸県だけだが3州を安堵されたのである。
確かに家久の死は役に立った。だがやらせなかった。
自分は弟すら守れないのかと。
そして晴蓑も秀吉に殺されてしまった。
弟2人を失った義弘に突きつけられたのは秀吉からの朝鮮出兵の命令だった。
兵も武器も兵糧も足りなかった。
当たり前だ。家族や友を殺されものも多い。それを殺した奴の命令で動員されるとなれば集まるはずがない。
朝鮮に渡る時には小舟で渡るという有様だった。
朝鮮についてからはそれはもう地獄であった。
餓え、疫病、などによる嫡男久保を始めとした仲間の死。
やっと講和交渉が始まったと思ったら、あのハゲネズミはもう一度出陣を命じて来た。
そんな時にやっとハゲネズミが死んだ。
ようやく故郷の地を踏めると思った。
そんな時だった。明と朝鮮の連合軍が我らの守る泗川に攻め込んで来たのは。
眼下を敵が埋め尽くす。ここが死地かと覚悟もした。
しかし結果は大勝だった。よく考えれば当然だった。
敵は数こそ多いが装備は貧弱、士気も低い。
最初は耐えて続け、大友城から奪って来た国崩しを打ち込んだ。
その結果相手の大砲に命中しそのまま火薬に引火し爆発。
それと同時に城の大手門を開けて敵に突撃した。
敵は爆発により混乱していたため我らの独壇場だった。
我らの死者が僅か数十人なのに対してきの死者は確認できているだけでも万を超える。
そんな中気になる報告が何件か入って来た。
一つ目は久保の代わりに島津家時期当主になった我が息子忠恒が負傷したということ。
二つ目は小西殿が撤退するのに敵が退路を塞いでいるということ。
三つ目は忠豊が家久を見つけたと報告して来たのだ。
三つ目の報告を聞いた時甥が何を言っているのか分からなかった。
島津中務大輔は死んだ。それ以外考えられなかったからである。
忠豊が言うには敵将茅国科の陣の周りに奇怪な服を来た人間達がいたそうだ。
その中の1人の男を見て忠豊は驚いたらしい。
亡き父がそこに立っていたからだ。
背格好や雰囲気は違ったがあの顔は在りし日の父そのものだったのだ。
だがそこはさすが忠豊である。
敵である可能性もあったため、生国は何処か聞いたらしい。
そうしたら「日本」と答えたらしい。日本は日の本の別名であったため忠豊は朝鮮の人間かと思ったらしい。
そうしてもう一度生国を聞くと今度は「鹿児島」と答えたらしい。これで忠豊は確信したらしいそこでその時つけていた面を取り顔見せた瞬間その男は、苦しみだし、最後に「忠豊…?」と呟いき倒れたらしい。
そこで忠豊は、近くにいた同じ服を着た人間達を含めて連れ帰って来たらしい。
そこで義弘はその男を見にいってみることにした。
ゆっくりと障子を開ける。するとそこには、在りし日の弟、中書家久がいた。
顔を見て義弘の頬には一粒の涙が流れた。
◇
評定の最中だった。
「維新様、中書様が起きられました」
家臣達が息を呑み、
「いって来てぐたされ」と言った。
「すまんな」と答え忠豊を連れて家久のいる部屋に走る。
障子を勢いよく開け
「中書!」と叫ぶ。隣では忠豊が「父上!」と叫んでいる。
そこに帰って来た言葉は
「そんなに大きな声で言われてもうるさいだけですよ武庫兄者」であった。義弘は固まってしまった。
「大きくなったな、又七郎」
と言う言葉で正気を取り戻し、
「又七郎! お前がここにいると言うことはお前は今佐土原島津家の当主になのだろう? そんな男が涙を見せるな!」
といい、忠豊が「はい、父上!」と言っていた。
気づくと義弘は
「やはり死んだと言うのは噂であったのだな」と言っていた。
そこへ、中書は
「武庫兄者? それは違いますぞ。 某はあの時死んだそれは間違いござらん」
そして中書が転生してからのことを聞かされた。
正直狂言かと思った。しかし中書が狂言を吐くはずがない。
「その話、真か? 狂言ではないのだな」
本当かどうか確認した。すると、
「あぁ、本当だぜ、だが歴史を勉強していないから今がいつかは、よくわからないぜ」
それを聞いて義弘は呆れた。
『未来の歴史を修めていれば島津家の行く末もわかっただろうに』
そう思いながら、現状を説明する。
話終わると中書が
「そういえば杏奈は何処だ?」と聞いてきた。
忠豊が答える
「あんな? とはあの隣にいた女子ですか?」
「あぁそうだ、生きているよな?」
「それはもちろん生きていますよ」
「それはよかった」
中書にも女子ができたらしい。これはもしかすると忠豊の母が怒るかもな。
それに気づいたのか忠豊が笑っている
「ん? どうした又七郎?」
「いや、転生体ではあるものの母上が怒りそうだなーと」
「あ…」
中書が絶句していた。
「中書がしらぬうちに恋の病に侵されておったわ」
そう言って笑う。
兄になんて文を送ろう。
久々にとても気分が良い。




