レビンさん…
「レビン、もっと強い雷魔法を覚えないか?」
突然、義孝はレビンに言い放った。
「えっ?…もしかして特訓させる気?」
レビンは義孝の言葉に身震いした。
「レビン、おまえ、雷魔法だけだろ?」
義孝の一言にレビンは、怒った。
「だけだろ?ですって!!「わかったわよ、やるわよ!!」
「その気になったな」
レビンの性格を義孝は分かっていたのだった。
「レビンが使える最強の雷魔法を撃ってみろ」
レビン
「いいわよ!!撃つわよ!!」
「…」サンダー[雷雲が辺りを包む] 一瞬、辺りが明るくなる、
「ドーンっ!!」
「それだけか…」
レビンのサンダーを見て、義孝はヤレヤレな顔をした。
「それだけかって…」
義孝の表情を見たレビンは
「これでも、魔物には効いたじゃない!!」
「魔物にはな、それより強い魔物が現れたら?」
また、ヤレヤレな表情で義孝は言った。
「…」
レビンは、悔しさと恥ずかしさで顔が赤くなった。
「魔法は、イメージなんだよ」「いいか、見てろよ」
「…」雷中 [閃光が走る] 「どぉぉぉーん!!」
小高い山が消えて無くなった。
「なに…その威力…」
義孝が放った雷中の魔法の威力は、この世の終わりの様だった。
「…」雷強 [巨大な閃光が走る] 「どごごごごーん!!」
大きな山が無くなり、そこには大きな穴が空いていた。
「…」
レビンは、もう言葉さえ出なかった
「今ぐらいのを、覚えてくれ」
平然とした顔で言う義孝にレビンは、
「ムリムリムリムリムリムリ…無理よぉぉぉぉぉー!!」と
へたり込んだ。
「あの日の事は…あの地獄の日々は…思い出したくないわ…」
レビンは、目が点になり遠くを見た。
「あはは」
その顔を見た義孝は、大笑いした。
「笑い事じゃあないわよ…もう」
レビンは、シラ~っとした表情になった。
「さてと、海龍とは話す余地があるかだな」
「レビン、話す余地が無かったら1発お見舞いしてくれ」
義孝は、海龍が水龍の様に、操られてるだけだろうと気付いていた。
「わかったわ」
二人は、気配を消し入江までゆっくりと降りて行った。
「よう、海龍!! 話があるんだが?」
義孝は、海龍の目前で止まり声をかけた。
「きさま…人間か、なぜ島にいる」
義孝の声に驚き海龍が声をあげた。
「…」雷強 [巨大な閃光が走る] 「どごごごごーん!!」海龍に命中!!
レビンは、雷魔法を放った。
「レビン…早過ぎだろ!!」
その行動に驚いたのは海龍ではなく義孝だった。
「えっ?」「えぇーっ!!」
「またしても…人間め!! 不意を付き、我を傷付けるか!!」
「大津波!!」 海龍が放った津波が押し寄せる
「レビン!!」義孝はレビンを抱きかかえ、空へ
「ごめんなさい…力んじゃった…」
「あっ…でも私…抱きしめられてる…わ」
顔が赤くなったレビンだった。
「人間、空を飛ぶか!!」海龍の口から水と泡が吐き出される
「ごぉぉぉーっ!!」
「…」氷壁 [氷の壁が立ち上がる]
義孝は巨大な氷の壁を作り出し、海龍が吐いた水と泡が氷壁にあたる
「氷魔法も使うか…」
海龍は、驚いた。
「レビン、もう一度、雷魔法を使えるか?」
「海龍に雷効かないのに?」
レビンは不思議に思った。
「効かなくていい」レビンに耳打ちをした。
「あぁん…」「いっ…いえ…そんな状況じゃあないわね」
我に返りレビンは、
「わかった…そこを狙えばいいのね」レビンは、雷魔法を使う
「…」雷強 [巨大な閃光が走る] 「どごごごごーん!!」海龍に命中!!
同時に
「…」氷の槍 [氷の槍が現れる] 氷の槍が海龍の背中に向かって放たれた。
レビンが放った雷が、海龍の背中に命中し、義孝の氷の槍が何かにアタり、弾け飛んだ。
「ヨシ!!外れたな」
「なに?」
レビンは、なにが起こってるのか把握できてなかった。
「攻撃を受けてる時、海龍の背中に、モリが刺さってるのが見えたんだよ」
キョトンとしたレビンに義孝が説明しレビンは水龍の時の事を思い出した。
「それって、水龍様と同じ様なモノ?」
「わからないが、海龍が言ってただろ? また、不意を付きおってってさ」
「もしかしたら、あのモリに何かあるのかもなってな」
「海龍、動かないわね」 レビンがそう言った時
「人間め!!、我を傷付けよって」
海龍は、ゆっくりと起き上がった。
「ダメか…これ以上は、傷付けたくないんだけどな…」
「…」氷河 [巨大な氷塊が、四方から海龍を包み込む]
義孝は氷結魔法を放った。
「くっ…人間め!!人間め!!人間め!!」
海龍の怒りに氷河が砕け散る
「氷が砕け散ったわ!!」レビンが叫ぶ
「くそっ…」
「海龍には、なにが有効なのよ!!」レビンが叫び
義孝は…その時、どこからか声が聞こえた。
「… … かい…かいりゅ…海龍よ…聞こえるか…海龍よ…」