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異世界いって死ぬ  作者: 竹原のり
1/1

物語は死んでも続く

「え。」

ここは、異世界だろう。なるほど。わからん。最悪である。目の前には幻想的な自然に包まれていた。川の水が葉と葉から漏れ出る太陽の光によってきらきら輝いている。朝起きたらこんなところに、いや起きた、という表現があっているのかは知らんが、気づいたらここに立っていた。ほぼ確実に異世界てきななにがしだろう。嘘だろマジで。俺自身、別に他の異世界物の主人公みたくクソニートという現実から目を背け、異世界に来てひゃっほいする人種ではない。友達は少なかったけどきにするまい。類が呼ばない者は友ではないのだ。

「はあぁ」

オワタ、なんもやる気でねえ。あのまま学校に行ってそれなりの成績を残し、それなりの会社に勤めそれなりに人生を終えたかった。つまらない人生かもしれないが俺にとっては最高の人生像だった。

「普通に生きるって結構むずかしいんだよなあ」

中学のころの先生が嘆いたようなの言葉を思い出す。多分50歳を超えていた先生だったと思うが、説得力が違いますわ。

さてこれからどうするべきか、なんとなく自分を囲むように地面に丸をかき、スポーン場所に印をつけた(某ブロックゲームのやりすぎである)。とりあえず川沿いにむかって歩いてみようか。


なんもねえ。町とかないのかよ。なんもねえ。だが自然にふれながらゆっくり歩くのは嫌いじゃない。むしろ好きである。たが寝る場所は確保しておきたい。


本当に何もない。太陽が熱い、近くに川があるのが不幸中の幸い。おなかがすいた。


これは。食べれそうな果物が生える木があった。桃に似ている。多分食べれると思う。食べて死んだら、まあそれでもいいだろう。多分大丈夫。その時には、もう別にいいや、という感じだった。とりあえず取っておいて、やばくなったら食べる。というのも考えたが、もういい。ああ、おいしい。もろ桃だ。2つぐらい食べ終わるころには。すっかり空は、暗くなってきた。仕方がない。今日はここで寝よう。幸い、もともとの世界は冬でこの世界は夏。体を冷やさないのには十分な服を持っていた。脱いでいた長袖をおなかにかけ横になった。夜空がきれいだ。雲一つなく月が輝いている。小学校のころ見たプラネタリウムにそっくりだ。あのプラネタリウムはリアルだったな、、、


…ん?月?ここは異世界ではないのか?いや異世界だからといって月がないわけでは..空を見回すとそこには他より輝く3つの星。三角形を描いている。

「夏の大三角..」

まじか。ここは地球なのかもしれない。頭の中の一部が熱くなるのを感じた。落ち着け。考えろ。まずここはどこなのか。かなり田舎の方なのか?アフリカとか?クッソ地理わかんねえ。勉強しときゃよかった。まてまて。今わかってることから考えろ。まずは、きれいな川、ほぼ平坦な広野。桃、季節は夏。写真で見るような星空。うん、わからん。わからないということが分かった。無知の知。よって寝る。

こうして1日目が過ぎた。


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