プロローグ『不幸な青年の転機』
「・・・・・なんで、なんで・・・」
少年は後悔をしていた。自分の行動一つで変えれていた過去を食いていた。
頭を抱え、過去の自分の行動を思い出し、現実を見ていた。
「・・・・・・・なんで…僕が・・・・」
何度も何度も考え続けていた。
そして何度も何度も過去に戻りやり直したいと思う。
しかし、戻りたいが戻ることのできない過去。これが現実だ。
「はぁ……やっぱ俺って不幸だな…」
少年は仰向けになった。その目には涙が流れ、美しい夜空の星々を霞ませ地に落ちた。
少年は『不幸』そのものであった。常に色々な不幸な出来事が身の回りで起きた。
少年は常にどのようにして不幸を避けるか考えていた。そう考えるうちに臆病になっていた。
さらに不幸なのはそんな不幸な生活が続く事だ。
ー数年後ー
時はたち、少年は青年となっていた。変わった事と言えば身長が伸び学校で勉学を学び、現在ではとある大富豪の家で執事として住み込みで働いている事だ。はたから見たらとても清々しい青年だ。ただ、その産まれ持った『不幸』は消えず仕事場でも不幸が起き度々雇い主の旦那様に叱られる。その為、臆病な性格も抜けないでいた。
しかし、転機が訪れた
青年がいつも通り睡眠に入るといやに具体的な『夢』を見だした。屋敷の内装。旦那様。奥様。お嬢様。ご同業のメイド。街の風景。そこに行き交う人々の顔。何から何まで見覚えがある。
ただ一つ、身に覚えのないのは夢の中で起きた事件だ。
青年は目を覚ました。
「なんだ、今日の夢は…」
なんなんだったんだと言う疑問が頭の中で浮かび上がってはいたものの、まだ薄暗い空の中起き執事の仕事を始めた。
ダイニングの準備。お屋敷のお掃除。庭の手入れ。来客への対応。奥様からの御用事。働きはじめある程度たつがまだたどたどしさを残した手つきで仕事をしていく中ふと気づいた。
「あれ。今日の出来事って今朝にかけて見た夢の内容に似てるような…」
『夢の中で見た出来事が現実で起きているのか?。』と、思い念のため青年は夢を思い出そうとした。
「ダイニングの準備をして、、、庭の手入れをして終わる頃に来客があり来客への対応をしてお手入れ道具をしまい、奥様からの御用事を受けこなして……」
夢を一つ一つ手繰っていき次に起きるかもしれない事を思い出した時、青年は冷や汗をかいた。
直後、青年『カイル』は走りだした。この後起きる事件を阻止するために。