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俺の嫁は奴隷だけど何か?  作者: chionauth
第2章 交流
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新たな冒険への障害

 連合軍を退けたグレイス達一行は、帝王スライムを連れて街まで戻って来ていた。

「おいグレイス、本当に儂はここに来て良かったのか?」

 帝王スライムは、自分に向けられる視線に戸惑っていた。

「大丈夫だって」

 当の本人は何でもないかのように返事をしてズンズン進んで行く。

 大丈夫って言ったって…周りの目がどう見ても獲物を見つけた猛獣の目をしておるんじゃが…

「そういえば、帝王スライムは人間に擬態するって衛兵のお爺ちゃんに聞いたのですが、貴方は擬態しないんですか?」

 ・・・・。

「…擬態出来ることすっかり忘れとった」

「何で忘れるんですか、自分の能力でしょう」

 ボケ老人のようなことを言う帝王スライムに呆れつつも、目立たなくすることができた一行は王城へと向かった。

 グレイス達は、帝王スライム討伐戦で連合軍の指揮を執っていたブレイに呼ばれ王国へと戻ってきていた。


「奴らは戻ってきたのか…」

「はい。白いスライムを従えていたとか…」

 元々暗い顔をしていた男たちが、その報告を聞いて更に表情を暗くさせた。

「白いスライムっていうと…まさか」

「あぁ。そのまさかだ、ブレイ騎士団長が指揮をとって討伐に向かったらしいのだがグレイス・ミュードラントに追い返されたらしい」

 副騎士団長が帝王スライム討伐のことのあらましを説明すると、男達は顔に驚きを貼り付けた。

「何と、騎士団長殿があの坊主に追い返されたとな」

「守護騎士様の次に強いと言われている騎士団長様が追い返されるとは、グレイス・ミュードラントはそれ程の強さを持っているということになるのか」

 その言葉にその場にいた全員が険しい顔をした。

 アリエステ王国は年に一度執り行われる『アリエステ国家武闘会』によって序列が決まり、その結果次第では伯爵並みの権力を持つことができるのだ。

 この場にいる数人はその武闘会で上位に食い込んだ猛者達なのである。

 ブレイ騎士団長もその内の一人である。

 しかし、なぜ二番手なのかと言うと、守護騎士アリエステ=グリエントという異例の存在がいるからだ。


 アリエステは武闘会への参加は認められてない。

 アリエステは生まれながらにしてとある能力を持っている、その能力の凶悪性の強さから武闘会に出ることは危険と判断され出場停止されたのだ。

 その代わりアリエステには王国守護騎士と言う立場が与えられているのだ。

 そのせいなのか、アリエステは市民には尊敬を向ける対象として、王国騎士達からは羨望を向ける対象として、所謂アリエステ公国の象徴として存在しているのだ。

 しかし、そのアリエステが今年16歳になる為、冒険者としてこの国を離れなければならないのだ。

 国の見解としては守護騎士の不在ということは避けたいところなのだが、アリエステ本人の意思を無視して行動に起こしてしまうとそれこそ守護騎士自体がいなくなってしまうかもしれない。

 だから今回、アリエステを王城へと呼び出したのだが…

「王国守護騎士アリエステ=グリエント、帝王スライムとそれを御したグレイス・ミュードラントと共に馳せ参じました」

 …アリエステ以外の問題の種がおまけでついてきてしまった。

お待たせいたしました!

これから冒険が進んでいくかもというところで新たな障害がグレイス達の前に立ちはだかる。


次回、『交渉』

お楽しみに!

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