グレイスの秘密
どうも、雪月華です。
今回は少し短めですが、グレイス成分多目の構成にしております。
楽しんで頂けたら嬉しいです。
目と鼻の先まで迫った男の拳をグレイスは、落ち着いた様子で眺める。
そしてそれをいやらしい顔で眺める他の男達。
「・・・・面倒臭いな」
グレイスがそう呟くと、グレイスは殴りかかってきた男の視界から消えた。
標的が消えて、拳を空振りした男はグレイスを捜して辺りを見回す。
「あの野郎どこ行きやがった!」
そうやって吼える男の真後ろでグレイスは脚を持ち上げ、男の腰を蹴り飛ばした。
「ぐわぁ!」
転がっていく男にグレイスは見下すような視線を送る。
男は、いきなりグレイスが自分の背後に現れた事に驚いて目を白黒させている。
「お前、今何しやがった」
「何をも何も、普通に蹴り飛ばしただけだけど」
グレイスは何でも無いように答える。
その様子に男達は青くなる。
「さっきのが何でも無い・・だと」
「か、勝てるわけねぇ」
そう呟いた男達にグレイスが一歩踏み出すと、男達は顔を更に青くしてそそくさと去って行った。
男達の背中を見送って、グレイスは一息吐いた。
「・・・久しぶりだと疲れるな」
すると、服が引っ張られる。
それに釣られて振り向くと、エレイナが俯いて服の袖を引っ張っていた。
「? どうした?」
するとエレイナは少しだけ顔を上げてグレイスに問いかける。
「・・・あなたは、何でそんなに強いの?」
その質問にグレイスは少し狼狽える。
「え、えっとそれは・・その・・」
狼狽するグレイスを他所にエレイナは、興奮した様子で答えを待っている。
え~何でこんなにワクワクしてるの?
「そのうちにね?」
その答えにエレイナは目に見えて落胆する。
止めてよ、そんなにがっかりされると俺が悪いことしてるみたいじゃないか。
「さ、さぁ早く宿屋へ行こう」
グレイスが急かすと、エレイナは素直に従う。