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俺の嫁は奴隷だけど何か?  作者: chionauth
第1章 奴隷
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運命の歯車

いつも書いている人物を書くよりも、新しい人物を書く方が変化があって楽しい。

  アリエラ王国 王城 元老院

  王国の重鎮(じゅうちん)たちが王城の一室に集められていた。

  「またあやつの仕業しわざですか」

  「まぁ、そう言うでない。この国の経済は全てあの者の機嫌きげん次第しだいなのだから」

  そう言ってため息をく重鎮達。

  それもそのはず、アリエラ王国はその広大な土地で生産された、高品質な農産物の輸出によって国の7割の収入を得ている。

  その為、アリエラ王国は、『商人の街』や『生産品の故郷くに』などと呼ばれている。

  その主権を握っているのが、商業組合のトップ、グリムレイスなのだ。

  商業組合に登録されている名前のほとんどは偽名ぎめいであり、登録する際に本名と仮の名前の両方を登録するような仕組みになっている。だからこの国の重鎮達は、グリムレイスの正体がグレイスだという事をここにいる全員が知っていた。

  「だとしても、今回の件を無かった事にするのは無理ですぞ! あれだけ広範囲に街を壊されれば王家として黙っておくのは国民の不安をあおる事に繋がります」

  「そうなれば王家の信用は地にちる事になりましょう」

  そうやって息巻く重鎮達を尻目に国王は瞑目めいもくし、これから起きるであろう出来事に震えていた。

  ミュードラントといえばこの国きっての大手金融会社だ。

  その一人息子のグレイスは確か今年で16歳になるはず、であればこの国の法律で冒険に出る事になる。

  だったらそれを利用するほかあるまい。

  「皆の者落ち着け、その当人(グレイス)だが今年で16になるだろう。 ならばそれを利用し、しばらくの入国を禁ずればよかろう」

  「その手がありましたな!流石(さすが)は国王様、我々では思いつきませんでした。」

  国王の言葉に重鎮達は感激し、賛成の意を示す。

  「他に何も意見が内容ならばこのまま進めるが何か意見はあるか?」

  重鎮達の顔を見回し、意見が出ない事を確認して会議を終わらせる。

  「意見は無いようだな、それではこの会議は(しま)いとする」

  満足そうに退出して行く重鎮達

  「この選択は間違っていないのだろうか」

  その背中を眺めながら国王は小さく呟いた。


  国王の疑念は正しく、この選択がこの世界の歯車を大きく動かし始めて行く事を、今は誰にも分からない。

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