穏やか(?)な朝
穏やかな朝。
小鳥が談笑し、花達が夜露を朝日に照らして遊んでいる美しい光景。
「グレイス!エレイナちゃん達に変なことしてないでしょうね!」
・・・俺の後ろで騒ぐこいつがいなければ。
「うるさい、朝から騒ぐな、頭に響く」
「うるさいってなによ!私はエレイナちゃん達がグレイスに何か如何わしい事されてないか確かめに来たのよ」
信用度の低さに泣けてくるぜ。
「しねぇよ、これから旅に出るのにそんなことしたら旅どころじゃなくなるだろ」
「どーだか。いつもグレイスはみんながしないような事してるんだから、信憑性が低いよ?」
俺は思いついた事を頭の中でシミュレーションして、確信を持ってから行動に起こしているのだ。
それが俺の成功の秘訣なんだが…一般的にはおかしな行動と取られている、こんな悲しいことがあっていいものかね。
「そんなことよりお前、前隠さねぇの?」
「へ?」
グレイスに指摘されて自分の身体に目を向けると、部屋に飛び込んだ時からボタンがキャストオフされていたパジャマがこんにちはする。
自分の状態を理解して、顔をみるみる赤くするアリエステ。
バッと自分の体を抱き、恨みがましい目でグレイスを睨みつける。
「そんな目で見たって、自分の格好を確認せずに来たお前が悪い」
「それはそうだけど…なんで気付いた時に行ってくれないのよ!」
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何やら賑やかな室内。
グレイスの声と女の人声が言い争っているよう。
女の人ということは、アリエステさんだろう。
「ん〜」
ベットから体を起こし、寝ているうちに強張った筋肉を伸ばしてやる。
「お。起きたのか」
私に気づいたグレイスが声を掛けてくれる。
「おはよ〜エレイナちゃん。グレイスに変なことされなかった?」
「おはようございます、アリエステさん。どうしたんですか?何か言い合いをしていたようですが」
「それが聞いてよ〜。グレイスってば、部屋に入って来た時から私の服がはだけていたことに気づいてたのに、教えてくれなかったんだよ!」
アリエステの言葉にグレイスは少しムッとして
「それはお前がだらしないのがいけないんだろ、俺は毎度毎度同じことを注意するのが嫌なだけだ」
「エレイナちゃん〜。グレイスがいじめるよう」
「嫌なら自分でするべきことをちゃんとしろ。エレイナ、着替えたら大広間に来てくれ」
エレイナに泣きつくアリエステをグレイスが引き剝がして引きずっていく。
「…本当に仲が良いのね」
エレイナは微笑み、未だに夢の世界にいるもう一人の妻を起こすために、掛け布団を引っぺがした。
この話で冒険に出発するはずが…
バトルシーン等を楽しみにしている方申し訳ない!
もう少しお待ちください。
そして、「勉強をしまくると異世界に行けるって本当ですか?」の続きをお待ちの皆様。
安心してください。続きは絶賛製作中でございます。
もうしばらくお待ちください。
待たせることばかりの報告で申し訳ない、こんな私ですが、皆様を楽しませる作品を作ってゆく所存でございますのでこれからも応援よろしくお願いします。
それではchionauthでした。