両親への秘密
投稿が空いてしまいまして本当にすいません。
日常生活が忙しくペンを握る暇も無かった(泣
ですが、忙しい日々は過ぎましたので、投稿ペースは上がるはずです。(絶対とは言ってない)
これからも「嫁どれ」をよろしくお願いします。
男の悲鳴が館に響き、しばらくの静寂が流れた。
ガチャリと、静まり返った館にドアの開く音が響いた。
「グレイス、もう大丈・・・夫」
ドアの向こうから顔を覗かせたクレイアはドアの向こうに広がっていた惨状に顔を引きつらせた。
壁一面に広がる真っ赤なもの。
ゆっくりと重力に引っ張られて床へと流れる。
その中で一人、楽しそうに男だったと思われる肉塊で子供が遊んでいた。
「おや、もう終いか。久し振りに楽しめると思ったのじゃがな」
そう呟いた子供は辺り一面に散らばったものを何事もなかったかのように綺麗にして姿を消した。
「あまり遊びすぎるなって言ったのになぁ」
子供と入れ替わるように現れたグレイスは、目の前で驚きに目を丸くして固まっている母たちを見て、愚痴を零した。
あの後、状況の説明をする為に、放心している母とシェートを連れて部屋の中に戻った俺は、ソファに向かい合うように座らせ、お湯を沸かせてお茶を淹れた。
「エレイナ、二人の様子はどう?」
お茶をテーブルに置きながらエレイナに問いかける。
「全然、ピクリともしない」
お茶を受け取ったエレイナは静かに首を振る。
まぁ、かなりショッキングな光景だったからな。無理もない。
しかし、これでは話を進められない。
仕方ないので二人の頬を軽く挟むようにして叩く。
叩くと二人は、何度か瞬きしてこちらに視線を向ける。
「目が覚めた?」
声をかけると、クレイアは驚きがフラッシュバックしたのか珍しく慌て始めた。
「グレイス、さっきのは何!?小さい子が血塗れになって人の腕で遊んでいたのだけど」
「まぁまぁ、それは今から説明するから、取り敢えずお茶でも飲んで落ち着いて」
エレイナから受け取ったお茶を飲んで落ち着いた二人に、事のあらましを説明した。
「大体の事は分かりました。それよりもグレイス」
「何?」
「こちらの二人を奴隷として買ったと言っていましたが・・・」
そこで俺はしまったと思った。実は俺の資産については両親には話していないのだ。
「う、うん」
「そのお金はどこから出たんですか?そしていくら使ったんですか?」
「え、えーと」
どうして正直に話さないのかって?
この手の話になったときの母が特別恐ろしいからだよ!
その証拠に母の目が「嘘をついたらどうなるか分かりますよね?」みたいな目になってるから!!
「お金は俺の貯金から…えっと、エレイナが白金貨4枚と金貨60枚、シェートが白金貨2枚と金貨80枚…合 計で白金貨7枚と金貨40枚でした」
俺の言葉に母は絶句した。
ちなみに、この世界は全世界共通通貨で、銅、銀、金、白金の順に高価になっていて、銅貨1枚で、日本円で100円になります。銅貨100枚で銀貨1枚となり、銀貨100枚で金貨1枚、金貨100枚で白金貨1枚の扱いとなります。
久々の作者でした。