悪魔
・・・
男の放った一言で場に静寂が流れる。
俺たちの反応に男は口の端を吊り上げた。
「おいおい、まさかそんなことも知らずにこいつのことを守っていたのか?とんだお人好しだな」
・・・。
「はっ、驚いて言葉も出ないか」
「・・・人間では無いと言うと?」
「そいつはな、鬼の力を持ってるんだ。それのおか げですげえ高値がついてるんだよ」
「鬼の力を持っているのに?」
「だからだよ、鬼の力を持っているそいつを奴隷にすれば、命令には逆らわない、そして何より自分が殺される心配もない。 ということはそいつに自分の子供を産ませれば鬼の力を持った子供の出来上がりという寸法だ」
いやらしい笑みを浮かべる男に対してグレイスは深い溜息をついた。
「だからどうした?」
「はぁ?」
その瞬間、ボトリと男の腕が床に落ちた。
「一度体験しておきながらもう一度現れるとは、本当に馬鹿な男だよお前は」
「グレイス、あなた一体何を」
男の腕から逃れた母が問い詰めてくるが、後回しにしよう。
「母さん達は出来るだけここから離れてて。出来ればここから先は見ない方がいい」
そう言われて母は渋々エレイナ達を連れてドアの向 こうへと入って行った。
もう大丈夫かい?
「あぁ大丈夫だ」
それじゃあここから先は僕がする番だね。
「すぐそこに母さん達もいるんだからあまりやり過 ぎるなよ?」
分かってるって。
「それじゃあ任せたぞ」
はいはーい
・・・・
「それじゃあお兄さん。僕と一緒に遊ぼうか」
「ひっ、うわあぁぁぁぁっぁぁぁぁぁ」