契約解除
「・・・それは本当・・ですか」
シェートはエレイナに俺の言葉の真偽を尋ねる。
その質問にエレイナは、ゆっくりと頷く。
「・・・そうですか」
・・・あれー?
何だか二人が気まずくなってないか?
奴隷の事は言うべきでは無かったかな。
「まぁ、それも昔の話だ。今は、立派な俺の嫁だもんな」
そう言うとエレイナは、顔を真っ赤にして嬉しそう に頷いた。
「と言う事だ、他に質問はあるか?」
シェートは少し考えた後、何かを決意したように顔を上げる。
「あの!・・・」
「どうした!?」
何だ!?気に障ることでも言ったのか?
「あ、え、えっと・・・何でも無いです」
本当にどうしたんだ?
何でも無いとは言ったものの何か言いたそうだ。
「じゃあ、契約解除をするぞ?」
何か言いたそうにしているものの、俺の呼びかけに頷いた。
グレイスは、違和感に不安を感じながらも、契約解除の詠唱を行う。
「・・・汝に問う。汝の主、グレイス・ミュードラ ント。この者に対して、汝は奴隷契約の解除を行うことを承諾するか。」
「承諾します」
「この契約解除を行ったことによる、身体的障害及び感覚機能に関する障害は我の看過する事ではない。 これは、奴隷側のみではなく契約者側にも影響を及ぼす可能性があるがそれを認識した上で契約解除を行うか」
「継続する」
「それでは、契約者グレイス・ミュードラントと奴隷シェートの契約の解除を行う」
その声が響いた瞬間、グレイス達の周りを蒼い光が包んだ。