奴隷二人
そう心で呟き、グレイスは運ばれてきたカフェラテに手を伸ばす。
しかし、カフェラテは、グレイスの手の中に入らず、代わりにストローがグレイスの口元へと差し出される。
「・・・ありがとう」
俺は、青髪の少女にそう告げてストローに口をつける。
そうしてある程度カフェラテを飲み、ストローから口を離すと、少女はテーブルにカフェラテを置いて、 俺の横に控える。
さっきから何度も椅子に座るよう言っているんだけどな。
・・・まぁ、何はともあれ
「君の事を知らないとな」
そう言ってグレイスは少女に笑顔を向ける。
「・・・」
少女は無言で頷く。
・・・あれ?
何か選択間違えたかな。
「と、とにかくそこに座って。」
グレイスがそう言うと、少女は頷き遠慮がちに椅子に座る。
「じゃあまずは、名前から教えてもらおうかな」
ー
少女の名前はシェート。
歳は14歳。
身長156㎝、スリーサイズ83/56/76
誕生日は6/30
得意な事は従属、苦手な物は自由
彼女は生まれつき奴隷だったそうだ。
ー
だからか、席に座らなかったのは、許可を出すだけじゃなく、指示まで出さないとダメか。
ところでエレイナはと言うと、
「・・・。」
グレイスの目の前で頰を膨らませて、ジト目でグレ イスを睨んでいる。
何でそんな目でこっちを見てるんですかね。
「ど、どうした。エレイナ。」
グレイスがそう尋ねると
「な、何でもない!」
と顔を背けてしまった。
ほんと何なんですかねぇ!?
「とにかく、シェート。最初で最期の命令だ。」
その発言にシェートは真剣な顔で言葉の続きを待っている。
「自分の生きたいように生きろ」
・・・は?というような顔で少女二人はグレイスを見ている。
え?何で、馬鹿なの?みたいな顔してるんだよ。
って言うか何でエレイナはそっち側なんだよ。
人の話は最後まで聞きなさい。
「俺は、君を召使いとして買った訳じゃない。
まぁ、俺が気に入った子を買ったのは、他の奴と変らないかもしれないが、それはそれとして。 俺が君達を買ったのは、気に入ったのもあるが、君達の本当の姿が見てみたいからなんだ。」
俺の言葉に二人揃って首を傾げる。
・・あれ?
俺、変な事言ったかな?
無言で首を傾げる二人に冷や汗を流していると、おずおずといった感じでシェートが口を開く。
「・・・あ、あの、君・・達と言うのは・・・」
シェートの質問にエレイナはビクッという効果音が つきそうな反応をする。
「あれ、言ってなかったか、ここに居るエレイナも、元奴隷だ。」




