ちょっとした実験
夜書いたから文章変だと思う(夜じゃなくても)
服も調達したところでちょっと実験してみた。
猫と言えば猫じゃらしとか。
まあ元はぬいぐるみだが、そのぬいぐるみの元が猫だし試してみたくなった。
「なあ香菜、猫じゃらしってあるか?」
「ほい」
猫を飼ったこともないのになぜか猫じゃらしを持っている。謎だ……
まあ持っているならいい。
「ほれ、ほれほれ」
みぃの目の前でプラプラさせてみたり近づけてみたりした。
結果。
みぃがそれを追いかけていて可愛かった。
後は普通に猫がしそうなことをいろいろ試したり。
そして、放置していたらただでさえ小さいみぃが丸くなって、少し大きめの加護に入って寝た。
親がたまにしか帰ってこないようなほぼ一人暮らし状態の俺は、何とか耳と尻尾をごまかして見た目的などを考慮して小学校にでも行かせようかと思ったが、だめそうだ。
よく考えたら学費とかそういうのが必要にもなる。
預かってもらうにしても周りに信用できる人が少なすぎる。まあ香菜がいるが、ちゃんとご飯を作れるか心配だ。
任せられる人がいないという危機的状況の中俺はひらめいた。
クラスのオタク曰く、花(?)が人型になったときに保健室で面倒を見てもらっていたらしい。
だが俺はそんなことはしない。
俺の知り合いに設定作りがうますぎて嘘でも説得力があるやつがいる。そいつに頼めばいったんはどうにかなるはず。
というわけでそいつを探すべく俺は広島から山口まで日帰りで行った。
※ ※ ※
ピンポーン
「うーい」
「佐藤くんが来ましたよー」
「入れ」
二つ返事で家に入って、とりあえず事情を話した。
「ほう、それで、何をしてほしい?」
「ちょっと俺んち来て」
「おう、わかった」
これもまた二つ返事でOK。
なぜ俺が新幹線に乗れる金を持っているかというと、こずかいではなく収入だ。
暇つぶしにゲーム実況をして動画投稿サイトにUPしてみたら視聴回数が伸びて、収入が入るようになったという奇跡が起きたからだ。
事務所には入っていない。
ただ、俺がそれでも学校で空気が薄いのは誰も知らないから。
稼いだ金のおかげで今こうして頼めた。
今頼んだ奴は、大学生で車の免許もとっている。
駅まで車で移動して、新幹線に乗ってまた広島に戻る。
ピンポーン
「はーい」
「帰ったぞー」
「空いてるよー」
(戸締りしろよ…)
そう思いながら入っていった。
みぃは相変わらず寝ている。
「あ、結城さん、お久しぶりです」
「おぉ、香菜子ちゃんか、久しぶり。成長したな」
「何年振りでしたっけ?」
「うーん、前会ったのは…三年前くらいじゃないか?」
「まあまあ、その話は置いといて、あの件」
二人の話が長引きそうなのでここで話を切り替えてみぃのことを話す。
相槌を打ちながら面白そうに聞いていたが、すぐそこでみぃが寝ていることには全く気付いていない。
「で、どこにいるんだ?」
「ほら、そこの籠で丸くなって寝てる幼女」
一応その籠を近くまで運ぶ。
みぃが軽くて助かった。
「ほぉ、この耳と尻尾は本物なのか?」
「うん」
うなずきながら耳をつつくとピクッと動く。
尻尾を触ると「んっ」と少しエロく反応する。
「すげぇな。で、これをお前と同じクラスに転校生としてこさせたいと?」
「そういうこと」
「そういうのは素直に言っちまえば早いもんだぞ。お前んとこの校長も理事長も、こういう展開では都合よく動いてくれそうだぞ?」
たぶんそれは金を払えばとかそういうことではなくて説明すればいいということだろう。
確かにあの二人は緩いけどそんな都合よくいくとはさすがに思わない。
だから―
「じゃあついてきて」
「はいはい。じゃあ事情を知ってるというわけで香菜子ちゃんも一応来い」
「はーい」
「みりゃわかると思うがこの子は人間じゃない。まあいわゆる獣人族だ。当事者でもないし信じるかは知らんが修也が起きた時にいたらしい。周りに飯を作れる奴がいないし他も考えたがダメだったらしい。だから学校の同じクラスに置いといて面倒を見解こうってわけだそうだ。さすがにこんな幼女を家で一人には出来んだろ?好調ならこいつの家の事情くらい知ってんだろ?」
結城の即興演説スキルが発動し、いい感じに言いくるめてくれた。
校長もアホなのか、それで納得していた。
いい感じのタイミングでチャイムが鳴り、昼休みになった。
「事情は分かりました。クラスに入れるのは席替えする当日にしてその子は佐藤君の隣にしてもらいましょう。担任には言っておきます。あとはわたしが何とかするので。ただし、面倒はちゃんと見てください」
何とかOKをもらった。
これって香菜が来た意味なくない?