~ 女王 の 決意 ~
「あぁ … 時と言うものは 残酷ね … 」
コツ コツ … コ …ツ … コ ツ …
長く 続く 廻廊に 響く 靴 音 …
美しい 華々の咲く 庭を 横目に
彼女 は 脚を進めた …
煌めく装飾が施された 大きな ドア の 前に立ち
彼女 は ふぅ~ っと息を吐いた …
ドア の 前 で 彼女を待つ 男が一人 …
「本当に宜しいのですか? 女王陛下 … 」
彼女 を 心配そうに 見つめ そう 聞いた …
「あら … セバス … ネクタイ が 曲がっているわよ … 」
キュキュッ と 彼女 は
セバス の ネクタイ を 締め直すと …
クスッ と 笑い …
「心配してるの? ありがとう セバス … 」
と 優しい笑顔 を 浮かべた …
セバス の 眼には 涙 が 溜まり
ポツリ … ポツリ … と 足元に 零れ落ちた
彼女 の 顔つきが キリリ と 引き締まり
「さぁ セバス ! ドア を 開けなさい !」
威厳ある その態度と 強い口調に …
セバス は 頷き 重たいドアを開けた …
彼女 は その会場に備えられた 壇上に上がると …
ゆっくり と 会場 を 見渡した …
何台もの TVカメラ と …
集まった アナウンサー や 記者達 …
彼女 は 隅から隅までを 見渡し 微笑むと
こう 話し始めた …




