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超えて行く者(異世界召喚プログラム)  作者: タケルさん
第二章 デスゲーム開始
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84話 あっちもこっちも

 「うがぁあああ!」


 雄たけびをあげながら、キールがロブスタークラブを戦鎚で殴りつけた。


 ロブスタークラブは大きなはさみでキールの戦鎚を受ける。

 ビキリ! と何かが割れるような音がダンジョンに響くと、ロブスタークラブの鋏には大きなひび割れができていた。


 ロブスタークラブも負けじと大きな鋏でキールを殴りつけるが、キールが真っ向からラージシールドで受け止める。

 ズギャン! と思わず冷や汗が出てきそうなやばそうな音が鳴っていた。


 あそこだけは重量級の怪獣大決戦になっている。


 「きゃぁあ!」


 キールの迫力ある戦いに目を取られていると、突然チップの短い悲鳴が聞こえてきた。


 慌ててチップを見ると7匹のクレイジーラットに囲まれていた。

 どうやら、キールが抑えていたクレイジーラットがチップに集中したようだ。


 当然ながら、回りこまれないように蒔いていたまきびしはすでに踏みつけられて用を成していない。


 早く援護するべきなのだが、俺の非力な戦闘力では闇雲に攻撃しても大して役に立たないだろう。

 ここは慌てずに、クレイジーラットのHPを確認して確実に数を減らすのだ。


 こいつなら手裏剣でいけるか?


 ドッ! という鈍い音を出して手裏剣が突き刺さると、クレイジーラットは絶命する。

 連続して手裏剣を投げつけて隣にいた1匹も続け様に仕留める。

 手裏剣も中々の威力だ。


 チップがこちらをちらりと見て微笑んだ。

 それに軽く手を上げて答える。


 チップを攻撃していたクレイジーラットのヘイトが俺に集まる。

 チップが俺の方に行かせまいとクレイジーラットの前に立ち塞がるが、防ぎきれずにこちらに2匹が向かって来た。


 残り1本の投げナイフを鎧から引き抜くと、直前まで引きつけてから投げつける。

 クレイジーラットにナイフが根元まで突き刺さると、ぴくぴくと痙攣して動かなくなった。


 あと1匹。


 だが、投げナイフはもう無い。

 向かって来たクレイジーラットに、火力不足だが手裏剣を投げつけて応戦する。


 やはりというか、手裏剣を食らったのにクレイジーラットは死ななかった。

 そして、弱りながらも俺の足に噛り付くように噛みついてきた。


 噛まれた痛みに耐えながらロングソードを抜くと、逆手に持って弱っているクレイジーラットを頭から突き刺して地面へと串刺しにする。

 クレイジーラットは断末魔の叫び声を出して動かなくなった。


 「ぜえぜえ」


 肩で息をしながらロングソードを鞘に戻す。


 まずい、完全に後手に回っている。

 キールが盾役になれないだけでぼろぼろだ。


 投げナイフを回収しながらチップを見ると、なんとか体勢を立て直したみたいだった。

 しかし、クレイジーラットの数はまだまだ多い。

 このままでは、さっきとまた同じ状態になってしまうだろう。


 クレイジーラットをまとめて始末した方がいい。

 戦利品とか言ってる場合ではないようだ。


 火炎瓶を使おう。


 「ぐわぁあああ!」


 今度はデールの悲鳴が聞こえた。

 レッドボアに突き飛ばされたようだ。


 まったく、息をつく暇すらない。


 チップの前方に集まっていたクレイジーラットの集団に火炎瓶を投げつける。

 クレイジーラットの大半が炎に包まれて苦しそうにのたうち回った。


 これでチップの方はなんとかなるだろう。


 そして、俺はデールの援護を開始した。

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