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超えて行く者(異世界召喚プログラム)  作者: タケルさん
第二章 デスゲーム開始
84/225

83話 主人公は誰だ?

 今日もレギオンのダンジョンに来ていた。


 3日目ともなると、レギオンのダンジョンはさすがに多くの冒険者達で賑わっていた。

 その中には、昨日救助したとおぼしき冒険者の姿もちらほらと見える。


 昨日死にかけたばかりだと言うのに、さすがは命知らずの冒険者達だ。

 タフな精神である。


 日坂部達也 年齢18

 冒険者レベル13

 HP70

 MP0

 力60

 魔力0

 体力60

 速さ65

 命中130


 装備 

 ベレッタMODEL92(攻撃力100)9mm×19mmブラックタロン(ホローポイント弾)×15発

 2連装ボウガン(攻撃力60×2)

 矢筒 鉄の矢×50(攻撃力20)

 ロングソード(攻撃力10)

 ナイフ(解体用)

 革のラウンドシールド改(防御力30+5)手裏剣(攻撃力20×5)

 革の鎧改(防御力40+10)投げナイフ(攻撃力50×2)

 ポシェット 火炎瓶×3 ソーン(最高品質)×10 特効薬(最高品質)×4 毒消し×4

 ジッポライター

 まきびし

 リュック


 お金

 1061220エル


 アイテム 

 皮のマント 水筒(水)弦(予備) コッキング紐 矢筒(木の矢×3 鉄の矢尻の矢×40)

 火炎瓶×7 小型ハンマー(採取用) なめし皮の風呂敷

 在庫 

 真珠×20 革のヘルメットランプ(防御力10) ナイフ(採取用)


 POINT 1

 GUNBOX 

 BENELLI MODEL 3(攻撃力50×15)12GAUGE(00バックショット)×7

 HK417D(攻撃力600)7.62mm×51mm(フルメタルジャケット弾)×20

 9mm×19mmブラックタロン(ホローポイント弾)×20発

 12GAUGE(ライフルドスラグ)×6

 12GAUGE(BBバードショット)×4

 12GAUGE(00バックショット)×4

 7.62mm×51mm(フルメタルジャケット弾)×20

 M67 FRAGMENTATION GRENADE(攻撃力1000)×5

 M84 STUN GRENADE×3

 VICTORINOX SOLDIER(アーミーナイフ)

 NIGHT VISION ATN PS15-3I FOM 1400(暗視ゴーグル)


 NEW EQUIP

 手裏剣

 投げナイフ


 投げナイフ2本と手裏剣5個がついに完成した。

 盾と鎧に収納できて防御力も上がってと、なかなかにいい感じである。


 親父の話しだと、投げナイフは重心の位置を工夫しているそうで、投げる事によって最高の威力になるように設計したんだそうだ。

 射程は1~2mと短いがその分は威力の方に期待しよう。


 手裏剣の方は若干威力の方に不安があるのだが、そこそこの重みがあるので殺傷能力は充分にあると思う。

 その分飛距離の方は出るので、牽制や最後の削りなどのかゆい所に使っていこう。



 ダンジョンに入ると、早速他のパーティが魔物達と戦っていた。

 どうやら何組ものパーティが共闘して戦っているみたいで、数十もの魔物と冒険者が入り乱れてまるで戦争のようになっている。

 戦闘の邪魔にならないように大回りして横を通り過ぎる。


 昨日と違って、ダンジョンの中には他の冒険者チームの戦力がある。

 探索経路を熟考じゅっこうする必要がありそうだ。


 狩場が重なって効率が悪くなる事もあるが、上手く利用すれば低レベルの魔物との戦闘で消耗するのを防げる。

 最悪の時は逃げ道として計算に入れる事もできるはずだからな。


 身軽なチップを先頭にして、どんどんとダンジョンの奥へと進んで行く。

 他の冒険者達の姿が見えなくなると、すぐに魔物の集団と遭遇した。


 今回も斥候役のチップが、魔物達に気づかれずに見つけてくれたので先制攻撃ができる。


 クレイジーラット

 レベル10

 HP40

 MP0

 力30

 魔力0

 体力50

 速さ50

 命中80


 マッドボア

 レベル12

 HP100

 MP0

 力80

 魔力0

 体力60

 速さ30

 命中30


 レッドボア

 レベル14

 HP120

 MP0

 力100

 魔力0

 体力80

 速さ40

 命中30


 ロブスタークラブ

 レベル19

 HP180

 MP0

 力150

 魔力0

 体力220

 速さ20

 命中20


 クレイジーラット52匹、マッドボア8匹、レッドボア3匹、ロブスタークラブ1匹だ。


 現在、通り抜けた部屋の数はたった2つだ。

 入り口から距離的には300mも進んではいないのだが……


 1匹だけおかしな魔物が混じっていた。


 クレイジーラットの数は相変わらずなのだがロブスタークラブがまずい。

 ギルドにあった資料では、こんなダンジョンの入り口付近に生息しているような魔物ではないのだ。


 こいつの装甲は斬撃系が効かない。

 いや、効かないというわけではないが頑丈で斬れないらしい。

 これを斬ろうとするならば、相当な腕前か伝説級の業物が必要なのだそうだ。


 そして、甲殻類の魔物は少しぐらい突き刺したところでその動きを止める事はできない。

 どうにも痛覚が鈍いらしいのだ。


 さらに、この甲羅は耐火にも優れているらしくて、デールのファイアや俺の火炎瓶も効果は無いときている。

 それどころか、甲殻のせいでまきびしさえも効果は見込めないだろう。

 まさに俺達にとっては天敵のような相手だ。


 唯一有効なのは打撃系の攻撃である。

 鈍器でくしゃりと潰すのが有効なのだそうだ。


 戦いを避けて逃げるか?


 いや、キールの戦鎚なら戦える。

 ここはキールに任せよう。


 「キール! ロブスタークラブが来たら頼む」


 「わがっだ! おでに任せろ」


 「チップはクレイジーラットを中心に、デールは俺とボア系を集中して始末する」


 「はい、お師匠様」


 「任せて下さい師匠」


 簡単にフォーメーションと戦闘の流れを確認すると、回り込まれない様にまきびしをサイドにも薄く蒔いて念入りに陣地を作る。

 ロブスタークラブは鈍足らしいので、こいつが戦場に到着する前にどれだけ削れるかが勝負になるだろう。


 よし! 準備は完了した。

 まずは、俺の先制攻撃でレッドボアを潰す。



 魔物の集団に気づかれないようにして、ソロリソロリとボウガンの射程距離ぎりぎりまで近づく。

 レッドボアに向けて矢を放つと、魔物達は一斉にこちらに向かって走って来た。

 ダッシュでまきびしを撒いた陣地まで後退する。


 まきびしと弟子達が守る陣地まで後退すると、先制攻撃で矢傷を受けているレッドボアに追撃の矢をお見舞いしてやる。

 だが、レッドボアに合計4発の矢が突き刺さるも当然のように倒せない。


 まあ、レッドボアはマッドボアがパワーアップしたような魔物のため倒せなくても不思議はない。

 想定内なのだが、集団にまぎれて乱戦になってしまう前に倒しておきたい。

 ここで火力の高いレッドボアの数を減らさないと、後々の戦闘で苦戦する事になる。


 まきびし地帯で足止めされているクレイジーラットを前に、さすがの猪突猛進で突っ込んでくるレッドボアの足も止まっていた。

 ここぞとばかりに狙い済ませた一撃を脳天に食らわせてやる。

 ズコムと脳天に矢が突き刺さると、散々矢傷を負わせて弱っていたレッドボアがついに力無く横たわった。


 最低限の仕事を終えて弟子達3人の様子を確認すると、すでに各々で戦闘を開始しているようだった。


 蒔かれたまきびしを踏みつけてレイジーラットが転がると、そこにキールが戦鎚を振り下ろしてくしゃりと叩き潰す。

 命中と速度の低いキールでもこの状態なら楽勝だ。

 そして、攻撃力が高いため一撃である。

 キールの力をもって戦鎚でガツンとやられれば、クレイジーラットなどひとたまりもないだろう。


 デールも効率よくクレイジーラットを始末していた。

 完全に我流と言うかめちゃくちゃに振り回してるだけなんだが、力が高いだけあってそれで何の問題もないようだ。

 斬るというよりは叩き潰すといった感じだ。


 チップは力が低いためデールやキールより殲滅速度は遅いみたいだったが、その分手数で補って確実に止めを刺していた。

 下がっては斬り前に出ては突くと、3人の中で一番安定した戦い方をしている。


 どうやら、戦況はこちらが有利で進んでいるようである。



 次々と向かってくるクレイジーラットを前に、ついにまきびしの防衛線が突破される時が来た。


 だが、俺とてただ黙って見ていたわけではない。

 まきびしの壁が突破される前には、マッドボアに攻撃を集中してその数を確実に減らしていた。

 戦果は充分だ。


 「一旦下がるぞ!」


 「はい」


 「わかりました」


 「わがっだ」


 一旦後方に下がって陣形を組み直すと、向かってきた魔物の残党を迎え撃った。


 まきびし地帯を突破してきた魔物の攻撃をラージシールドを構えたキールが仁王立ちで受け止めると、キールに殺到した魔物をデールが叩き斬る。

 さらに、デールを攻撃しようとする魔物を俺が狙撃して止めて、俺に向かって来た魔物をチップが迎撃するといった完璧な連携が見事に決まっていた。


 作戦通りだ。


 しかし、連携が上手く機能していたのは最初の方だけだった。

 生き残っていたマッドボアとレッドボアの集団が、キールとデール相手に繰り返し体当たりを始めたのだ。


 メイン火力のデールの攻撃が止まると、途端にこちらは防戦一方になる。

 攻撃が俺のボウガンだけでは完全に火力不足だ。


 苦戦する俺達を他所よそに、しかしチップだけは軽やかに避けると反撃までしていた。

 さすがに身軽である。


 俺が援護しようにもこれでは矢の装填が間に合わない。

 ならば、早速新兵器のお披露目といきましょう。


 胸元から投げナイフを取り出すと、デールを攻撃していたマッドボアに向けて力いっぱい投げつける。

 ドフッと、何か柔らかい物に埋まるような音がしたかと思うと、マッドボアの眉間にナイフの根元まで突き刺さっていた。

 眉間にナイフが突き刺さったマッドボアは、そのままドサリと糸が切れたように倒れる。


 ほえ?

 何か威力が凄まじいんですけど?


 親父のやつ……とんでもない業物を作りやがったな。


 あまりの威力に唖然としているとデールが防戦から攻撃へと転じていた。


 「イグニッション!」


 ボン! という何かが弾けるような音が鳴ったかと思うと、デールの体から炎の闘気が噴出していた。


 デールが即座に目の前にいたマッドボアを1撃で斬り伏せる。

 続けてデールに体当たりしてきたレッドボアを真っ向から剣で受け止めると、1撃、2撃と立て続けに斬りつけて力ずくでなぎ倒していた。


 残っていたマッドボアはデールに恐怖したのか動きが完全に止まっていた。

 それに視線を向けたデールが即座にキールが盾で押さえつけていたマッドボアを斬り付ける。


 「だぁありゃあ!」


 大声を出しながらデールが1回斬りつけるとマッドボアは絶命する。

 それと同時にデールの体から炎が消えた。


 なんか、デールが主人公みたいなんですけど?

 俺の投げナイフでの見せ場が完全に持ってかれた。


 頼もしいデールを複雑な気持ちで援護する。

 チップの方は終始安定していて、キールをうまく盾として利用しながらクレイジーラットを始末していた。


 これは今回は火炎瓶の出番はなかったかな。

 火炎瓶を使うと戦利品まで燃えてしまうから、なるべく使いたくないんだよね。


 そんな事を考えていると、すごい衝撃音が鳴った。


 ズキャン!


 「げぇふぅ」


 気づけば、苦しそうな声を出したキールが仰向けでひっくり返っていた。


 何事だと状況を確認する。


 ああ、そうだ……こいつがまだ居たんだ。

 ついにこいつが戦場まで来た。


 そう、ロブスタークラブだ。


 もう少しだけでも、レベルが高くなってから戦いたかったよな。

 キールが居なかったら、間違いなく戦わずに逃げている相手だ。


 だが、ステータスならキールの方が上だ!

 戦鎚を装備したお前なら倒せる。


 「キール大丈夫か? そいつはお前に任せるからな。お前なら倒せる。他の魔物は俺達で何とかするから、そいつに専念してくれ」


 「大丈夫だ! おでに任せでくで」


 キールはのそりと起き上がると、ドスドスと頼もしい足音を鳴らしてロブスタークラブに向かって行った。

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