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超えて行く者(異世界召喚プログラム)  作者: タケルさん
第二章 デスゲーム開始
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77話 新しい仲間

 次の日、ギルドに行く前に武器屋に寄るが、投げナイフと手裏剣はまだできてはいなかった。

 何もできない事に焦りが募る。


 くそっ!

 投げナイフや手裏剣があれば何とかなるかもしれないのに!


 地団駄を踏むと焦燥感を抱きつつギルドに向かった。



 「ガンマンさん!」


 ギルドに着くと、見知った3人組みが声を掛けてきた。

 デール、チップ、キールの以前助けたひよっこ冒険者3人だ。


 3人とも以前見た軽装ではなくてそれなりの装備を身に着けていた。

 どうやら、装備を整えることができたらしい。


 「おおっと、その名前は秘密だ。目立つのは苦手なんでな、秘密にしておいてくれ」


 秘氷のダンジョンで無双をしたのが、ガンマンと言う人物だと知れ渡っている。

 面倒な事になりそうなので内緒にしてもらう。


 暗視ゴーグルを使って倒したからな。

 どうやって倒したんだと聞かれたら困るんだよね。


 「では……師匠と呼ばせて下さい」


 「は? 師匠? えーと……ま、まあ、かまわないけど」


 一瞬なんで師匠? と戸惑ったが、デールの顔があまりにも真剣だったので呼び方など別にどうでもいいかと了承する。

 すると、3人で何かを相談し始めた。


 「師匠! 僕たち3人を弟子にしてくれませんか? お願いします」


 デールが代表で訴えてくると3人が揃って頭を下げてきた。


 「お前等、いきなり何を言ってるんだ? 俺なんかの弟子になってもしょうがないだろ? それに、弟子になるならもっと強い人は大勢いるだろう?」


 いきなり言ってきた突拍子も無い話しに戸惑って断る。


 「僕たちは師匠がいいんです。お願いします」


 「そんなことを言われても」


 対応に困り、首を振って拒否するが3人は断固として諦めなかった。


 困ったな、俺はレベル上げのために仲間を探しに来たんだ。

 そんなことしている暇はないんだよ。


 ……待てよ?


 「デール、お前のレベルはいくつだ?」


 「え~と、レベル10です」


 他の3人もレベル10らしい。


 なるほど、これはちょうどいいかもしれん。


 「わかった、20レベルくらいになるまででいいなら、かまわないよ」


 「ほんとですか? やったあ!」


 デールが零れんばかりの笑顔で飛び跳ねる。

 チップもキールも嬉しそうだ。


 「但し、戦場では俺の指示に従ってもらうぞ?」


 「はい、もちろんです」


 その後に3人の冒険者カードを見せてもらった。


 デール 年齢12

 冒険者レベル10

 HP80

 MP20

 力100

 魔力30

 体力80

 速さ40

 命中30


 装備

 ブロードソード(攻撃力20)

 チェインメイル(防御力50)


 魔法

 ファイア MP10(初級)


 スキル

 イグニッション MP10(体に炎をほとばしらせ一定時間、力を爆発的に高める)


 チップ 年齢12

 冒険者レベル10

 HP60

 MP0

 力60

 魔力0

 体力80

 速さ120

 命中50


 装備

 パリングダガー(攻撃力10)

 スケイルメイル(防御力30)


 キール 年齢12

 冒険者レベル10

 HP150

 MP0

 力165

 魔力0

 体力180

 速さ10

 命中10


 装備

 戦鎚(攻撃力50)

 プレートメイル(防御力80)

 ラージシールド(防御力50)


 あれ?

 こいつら、俺より強くね?


 レベルは俺より低いのにステータスでは完全に負けている。


 デールは魔法まで使えるとは。

 弟子より弱い師匠……しくしく。


 デールはブロードソードとチェインメイルを装備、チップはパリングナイフとスケールメイル、キールは大盾のラージシールドまで装備して、戦鎚とプレートメイルを装備していた。

 デールは完全にバランスタイプ、チップは速度重視の盗賊タイプ、キールは超重量級の装備を身につけて盾で守るシールドタイプだ。


 大盾を使うってことは、キールはあの重そうな戦鎚を片手で使えるのか? とんでもねえな。

 このパーティはバランスが取れていて、これに俺の遠距離攻撃が加われば鬼に金棒なんだけどな。


 だけど、俺のステータスは……


 意を決して、なるべく暗くならないようにおちゃらけて話す。


 「弟子よ、すでにお前達に教える事は何も無い」


 「ええ!? まだ何も教わっていませんよ?」


 「ふふふ、気づいておらんのか? すでにお前達はわしの強さを超えておるのじゃ!」


 「そんな、馬鹿な?」


 「いやいや、ほんとだって。これ見てみな」


 自分の冒険者カードを3人に見せると、俺のレベルとステータスの低さにびっくりしていたみたいだった。


 まあ、幻滅するよね?

 変な見栄を張って、危険な状態におちいってしまうよりはいいさ。

 パーティを組めたら良かったんだけどな。

 俺は弱いのだからしょうがない。


 「すごい! このステータスで、あれだけのことをやったなんて!」


 しかし、俺の予想に反して3人は尊敬しているような眼差しを向けてくると、是非とも戦い方を指導して欲しいと懇願してきた。


 こうして俺は助けた3人組と暫くの間パーティを組むことになった。


 人助けはしておくもんだね。

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