71話 新たなダンジョンへ
「ちょっと達也君! 一緒にいたの疾風と迅雷よね? 知り合いなの?」
エミリーさんが小声で俺に聞いてくる。
「はぁ、まあ諸事情からパーティを組む事になりまして」
「はあ? パーティ? 嘘でしょ? 何で?」
「いや、何でって言われても」
「それにゴブリンの討伐数を見たけど、あれは何かの間違いよね? 討伐数が272匹とかおかしな数になってたわよ。達也君少し前まで髭モグラが倒せないとか言ってたわよね?」
エミリーさんは戸惑いを隠せないようであたふたとした感じで詰問してくる。
他のダンジョンでも倒したけど、やっぱりモンスターパニックの時に倒しまくったからだよな。
「俺だって、いつまでも弱いままじゃないですよ。それに所詮はゴブリンですよ? パターンさえわかってしまえば恐ろしい相手ではありませんから」
「ひょっとして…………達也君は強いの?」
エミリーさんが伺うような視線を向けて聞いてくる。
「何を尺度にして強いと判断するかで変わりますが、少なくともゴブリンなら50匹くらい相手にできますよ」
銃を使えて弾さえあるなら何匹でも相手にできるけどね。
もちろん、それは言わない。
褒められて少し得意気に答えると、エミリーさんは納得がいかないような憮然とした態度で手続きしたギルドカードを渡してくる。
「これが懸賞金の27万エル、そしてFランク冒険者昇格おめでとう」
「どうも」
エミリーさんが、つまらなそうにお祝いの言葉を言ってきた。
苦笑しながらお礼を言う。
「あ~あ、つまらない。弱い達也君がおろおろしている姿が面白かったのにな」
おいおい、この人思いっきりつまらないと言っちゃったよ。
ゴブリンは5匹討伐で5000エル。
ゴブリン討伐は何回でも褒賞金が貰えるので、54回で27万エルという計算だ。
ゴブリンだけは西にあるエルフの森と呼ばれているレイクウッドで何匹も沸いてくる。
放っておくと徒党を組んで人を襲うため、見かけたら倒してもらえるように常に募集しているのだ。
ちなみに、自分のランク未満のクエストは何回クリアしてもギルドランクの昇格にはならない。
そのため、Gランクのクエストを54回もクリアしたのに現在の俺はFランクだ。
エミリーさんに軽く挨拶をするとセリア達のいる待合室へ向かった。
「おまたせ」
「遅いわよ、達也」
待合室につくと、セリアが遅いと文句を言ってきた。
セレナはセリアにもたれるように眠っている。
「悪い、それよりそっちはこれからどうするんだ?」
「そうねえ、せっかくモニカまで来たのだからクエストを兼ねて近場のダンジョンへでも行こうかしら? 達也はこの後時間はある?」
『ああ』と頷きダンジョンのへの同行を了承すると、セリア達と近場のダンジョンへと向かった。
向かった場所は密林のダンジョンだった。
ダンジョンの適正レベルは25で、セリアの話しだと採集する植物がなかなか良い値段で取引されるという話しだ。
日坂部達也 年齢18
冒険者レベル12
HP65
MP0
力55
魔力0
体力55
速さ60
命中120
装備
ベレッタMODEL92(攻撃力100)9mm×19mmブラックタロン(ホローポイント弾)×15発
2連装ボウガン(攻撃力60×2)
矢筒 鉄の矢×50(攻撃力20)
ロングソード(攻撃力10)
ナイフ(解体用)
革のラウンドシールド(防御力30)
革の鎧(防御力40)
ポシェット 火炎瓶×3 ソーン(最高品質)×5 特効薬(最高品質)×3 毒消し×2
ジッポライター
まきびし
リュック
お金
573520エル
アイテム
皮のマント 水筒(水)弦(予備) コッキング紐 矢筒(木の矢×3 鉄の矢尻の矢×40)
在庫
真珠×5 革のヘルメットランプ(防御力10) ナイフ(採取用)
POINT 0
GUNBOX
BENELLI MODEL 3(攻撃力50×15)12GAUGE(00バックショット)×7
HK417D(攻撃力600)7.62mm×51mm(フルメタルジャケット弾)×20
9mm×19mmブラックタロン(ホローポイント弾)×25発
12GAUGE(ライフルドスラグ)×6
12GAUGE(BBバードショット)×4
12GAUGE(00バックショット)×6
7.62mm×51mm(フルメタルジャケット弾)×20
M67 FRAGMENTATION GRENADE(攻撃力1000)×5
VICTORINOX SOLDIER(アーミーナイフ)
NIGHT VISION ATN PS15-3I FOM 1400(暗視ゴーグル)
NEW EQUIP
M67 FRAGMENTATION GRENADE
VICTORINOX SOLDIER
ポイントを2ポイント使って、前回の救出時に消費したベレッタの弾を補充した。
予備弾倉は、マガジンにフルで最低1本は持っておきたかったからだ。
ゴブリンを倒したので新しい装備が手に入った。
ちなみに、アーミーナイフは武器ではなくて十得ナイフみたいな便利ツールである。
のこぎりやらスプーンなど盛りだくさんの機能が付いていて、これがあれば採取にも使えるので採取用ナイフは置いてきた。
少しでも装備品を減らしたいのでこれは非常にありがたい。
あとは手榴弾だ。
これは殺傷範囲が広いので使用には注意が必要だ。
致命傷の距離は5mと狭いが、破片が飛び散る殺傷範囲は15m~20mとかなり広い。
200m以上は離れていたのに破片が飛んできたなんて事もあったそうだ。
塹壕などに身を隠して使う防御型の手榴弾なので、遮蔽物が無いような場所では自滅してしまうので危険だ。
気をつけて使おう。
親父から矢筒と使ってしまった予備の弦を購入した。
使うことはないだろうが、念のため予備として矢尻の矢と木の矢も持ってきた。
セリアとセレナがいるため安心して矢を射る事ができるだろう。
さあ、行ってみよう。




