58話 セリアとセレナ
「え~と、貴方は達也と言ったかしら? 貴方の事は達也と呼ばせてもらうけど、かまわないかしら?」
「ああ、俺もセリアと呼ばせてもらうよ? セレナも呼び捨てでいいか?」
「いいよぉ、じゃあ達也だから、たっつんだねぇ!」
お互いに簡単に自己紹介をすると呼び方を決めた。
たっつんってなんだ?
まあ、いいんだけどさ。
ちなみに、ここのダンジョンの前半は魔物の出現率が低いそうで、逆に後半からはその分出現率が高くなるダンジョンなんだそうだ。
学者が言うには、ダンジョンの奥に自生しているきのこが原因ではないか? との見解らしい。
それで、セリア達はその学者達からの依頼でそのサンプルの採集に来たんだそうだ。
その後は、3人で並んでダンジョンを歩いたんだけど……
「たっつんたっつん、これなあにぃ?」
「これか? これは2連装ボウガンだ。こうして2発連続で矢を撃つことができる」
「たっつんすごぉい!」
セレナが無邪気な笑顔を見せる。
「たっつんたっつん、これなあにぃ?」
「これか? これはヘルメットランプだ。ここに油をだな……」
こんな感じで、セレナに道中ずっと質問攻めにされていた。
まるで子供みたいなセレナの仕草に戸惑ってしまう。
それとは対称的に、セリアの方は終始じっと黙っていてまるでこちらを観察でもしているかのようだった。
しばらくダンジョンを進むとセレナが急に静かになる。
「どうやら、戦闘区域に入ったようね」
セリアが槍を握る手に力を込めて呟いていた。
出現した魔物はハゲアキが5匹とジャコウゲハが3匹の集団だった。
「達也は攻撃しなくていいからね。後ろから誤射されたらたまらないわ」
そう、セリアが俺に宣言するとセレナと一緒に魔物の集団に突っ込んで行った。
ハゲアキ
レベル14
HP120
MP0
力80
魔力0
体力110
速さ20
命中35
ジャコウゲハ
レベル16
HP130
MP0
力120
魔力0
体力140
速さ20
命中40
ハゲアキとジャコウゲハは、どちらも芋虫の幼虫がでかくなったような姿だ。
3mくらいの巨体をのそのそと動かしてゆっくりと近づいてきていた。
そして、戦いが始まる。
しかし、始まったかと思ったら戦闘はすぐに終了していた。
2人が交戦した瞬間、魔物が一瞬で沈黙したからだ。
セレナが疾風のような速さで魔物を斬って走り抜けると大概はこれで終わりだった。
瀕死の状態でまだ生きていた魔物もいたが、後詰めのセリアが強烈な突きを食らわせて確実に即死させていた。
これは、確かに俺の出る幕はないな。
むしろ下手に手を出すと邪魔になるだけだ。
転がっている魔物の戦利品には目もくれずに、セリアとセレナがダンジョンの奥へ進んで行く。
「セリア、こいつらから素材を回収しないのか?」
「回収はしないわ。荷物になるし値段も安いから」
セリアが言うには、20レベルくらいのダンジョンから同時に出現する魔物の数が増えるらしくて、戦利品は選別するのが基本になるとのことだった。
大部屋になっている場所だと100体くらいの集団になっている事もあるそうだ。
その後に少し進むとミニテラーバッドの大群がいて、近づくと次々と襲い掛かってきた。
しかし、セリアとセレナが近づいてきたミニテラーバットをすべて一瞬で殲滅してしまう。
すると敵わないと判断したのか、残りのミニテラーバッドは上の方でくるくると旋回して襲って来なくなった。
「もう、鬱陶しいわね。達也! そのボウガンでって……飛び回ってるのはさすがに無理か」
「セレナが飛んで倒すぅ?」
「魔法は最後にある大部屋のためになるべく温存しておいて。鬱陶しいけど無視して進みましょう」
セリアが俺では無理だと勝手に決めつけると、ダンジョンの奥へと歩みを進めようとする。
それにしても飛ぶだと?
魔法で飛べるのか? 何でもありかよ。
そんな事を考えながら、そっと2連装ボウガンをミニテラーバッドへ向ける。
そして、2連続で空中を飛んでいたミニテラーバットを射落としてみせる。
セリアは『嘘?』と驚き、セレナは『たっつんすごぉい!』と大はしゃぎだ。
飛び回っていたミニテラーバッドをすべて射落とすと、刺さっていた矢を引き抜いて回収をする。
「ちょっと、どういうこと? 貴方レベルが9じゃなかったの?」
どういう意味だ?
質問の意図を測りかねて困惑してしまう。
「冒険者カードを見せなさい! じゃないとここで置いていくから」
いきなりセリアが脅迫してきた。
こんな場所でおいてかれるわけにいかないため、仕方が無いなと冒険者カードを見せる。
「え? ホントにレベル9?……命中が90? 嘘でしょ?」
そういえば、親父が命中だけなら中堅クラスとか言っていたな。
平均がどんなもんかわからんが俺のステータスは相当偏ってるんだろう。
「俺も見せたんだからそっちも見せろよ?」
セレナは『いいよぅ』と了承するがセリアは『私は嫌よ』と断った。
腹が立ったが助けてもらう立場上は何も言わずに我慢する。
まあ、嫌だと言っても勝手にステータスを見ればいいだけなんだけどね。
セレナには了承してもらったし、セリアなら俺も見せたのだからいいよね?
俺ルールではOKです。
セリア 年齢18
冒険者レベル32
HP320
MP50
力271
魔力115
体力280
速さ192
命中215
装備
雷光の槍<攻撃力40+α(攻撃力80)エンチャント>
紫電の鎧<防御力40+α(防御力80)エンチャント>
魔法
サンダー MP10(初級)
サンダーボルト MP40(中級)
ライトニングボルト MP40(中級)横1m縦10m範囲
スキル
紫電 MP5(体に雷を纏わせ刹那の間、超高速機動可)
インパルスカノン MP50(武器に雷を纏わせて超電磁砲として撃ち出す)
セレナ 年齢18
冒険者レベル30
HP215
MP60
力205
魔力130
体力190
速さ277(327)
命中220
装備
疾風の剣<攻撃力20+α(攻撃力50)+速さ25 エンチャント>
シルフの羽衣<防御力20+α(防御力50)+速さ25 エンチャント>
魔法
ウインド MP10(初級)
サイクロン MP50(中級)円50m範囲
スキル
疾風 MP5(体に風を纏わせて高速移動、空中機動化)
ソニックブレード MP20(剣に風を纏わせ斬りUP、リーチ変更可、真空斬飛可)




