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超えて行く者(異世界召喚プログラム)  作者: タケルさん
第二章 デスゲーム開始
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56話 気になるノイズ

 「親父! 作ってもらいたい物がある」


 「今度は何だ?」


 いきなり武器屋に入ると、いつものように何の説明もせずに親父に頼み事をする。

 そんな俺の態度にも慣れたのか、親父はポージングを崩さずに答えていた。



 「……それで、前に親父に言われていた通り、魔物が速くなってきて対処ができなくなったんだよ」


 「そうか」


 「それで、親父に作ってもらいたいものなんだが……」


 俺が打開策として考えたのは、まきびしである。


 追いかけてくる魔物にまきびしで足止めしてやろうと考えたわけだな。

 上手くやれば微々たるものだがダメージも与えられるかもしれない。


 親父に利用法と形状の説明をする。


 親父は『達坊、お前よくこんな汚いこと考えつくな』とあきれが半分、感心が半分といった顔だ。


 うるさい。

 忍者は汚いんだよ。


 そして、火炎瓶を使用するために必要なジッポライターもついでに作ってもらうことにした。

 親父に構造を簡単に説明する。


 すると、以前にもあったノイズが頭に走った。


 またか?

 何なんだよ? これ?


 不快なノイズに顔をしかめていると、親父が何か真剣な表情で考え込んでいた。


 「おい、親父どうしたんだ? 無理なのか?」


 「ん? ああ、大丈夫だ。構造は単純だから簡単に作れる。ただ、普通はその構造を考えるのが難しいんだが……達坊は天才なのかもな……次から次へとすごいもんだ」


 親父が力無く答える。


 親父はどうしたんだろう?

 それに、別に俺が構造を考えたわけじゃないんだけどな。


 あれ? そういえば、何時の間にかノイズが消えている。

 いったい、何だったんだろう?

 まあ、いいか。


 制作にどれだけ時間が掛かるか聞くと、1週間と言われた。

 材料になる鉄があればすぐ制作を始められるそうだが、在庫がないのでレーベンから取り寄せるのに時間が掛かるらしい。


 鉄か……まだ殺人兎の鉄が4つあるんだよな。

 う~ん、でも、まだ駄目だよな。

 もっと強くなるか持ってくる理由が必要だ。


 しょうがない、急ぐ必要もないし1週間待つか。


 制作するための代金を払う。

 まきびしの値段は安かったがジッポライターの制作費がそこそこ高かった。

 代金は30万エルだ。


 現代社会なら100円もあれば購入できるだろうが、完全に1品だけのオーダーメイドだからな。

 この値段ならむしろ安いんだろう。



 さて、この後はどうするかな?

 特効薬の材料集めのために、秘氷ひひょうのダンジョンへ行かないといけないわけだが……


 すでに、すぐに必要になる青色水晶は昨日持ってきた。

 後の急ぎは秘氷の水晶くらいだが、特効薬が数千個は作れる在庫はあるからそこまで急ぐ必要はない。


 秘氷のダンジョンは動きの速いやつが出るんだよね。

 よし、決めた。

 まきびしが出来てからにしよう。


 その間は、急ぎじゃないけど必要な材料があって、速度の遅い魔物しか出現しないようなダンジョンにでも行って来るかな?

 それなら、まきびしが出来るまで待つ必要もないからな。


 確か、3日くらい掛かる場所にいい所があったはずだ。

 往復して1週間くらいだし、ちょうどいいだろう。


 準備を済ませると、ダンジョンへと向かった。

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