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超えて行く者(異世界召喚プログラム)  作者: タケルさん
第一章 特効薬開発
38/225

37話 念願のショットガン

 2階層は真珠貝タートルの宝庫だった。


 此処を訪れる冒険者の大半が無視して戦わないからだろう。

 探すまでもなくすぐに次の真珠貝タートルが見つかった。


 間抜け顔で口を開けている所へこっそりと忍び寄ると、強烈な一撃を食らわせてやる。

 真珠貝タートルはいきなり攻撃されて驚いたのか、貝の口をしっかりと閉じて怒ったようにこちらに猛然と突進してきた。


 口を閉じられれば狙える場所は足しかないわけだが、足を閉じる時に矢が挟まってしまうと火を点けた時に矢まで一緒に燃えてしまう。

 火を点ける場所を確保するためになるべく同じ足を狙う。


 何回か攻撃すると、前回と同じく真珠貝タートルは足を引っ込めて完全に閉じこもった。


 早速、リュックから蒸留酒の入った袋を取り出す。

 矢の刺さっていない足の隙間から蒸留酒を流し込むと、祈るように火を点けた。


 上手く行ってくれよ。


 真珠貝タートルは貝の口をバクンと開けて苦しそうにのた打ち回った。

 すかさず、開いた口に必殺の一撃を食らわせてやる。


 矢が突き刺さると、ギィシュゥゥと真珠貝タートルが不気味な断末魔の声を上げて動かなくなった。


 さすがに火だけで焼き殺す事はできなかったが、どうやら問題無いようである。


 そして、パターン化してしまえば負けることはない。

 いつものように、淡々と数をこなして倒して行った。



 これで何匹目だろう?

 基本的な戦い方はいつもと同じ。

 逃げて距離を取って射るだ。


 ただ、二階層は大きなフロアのように空間が広がっているので、一階層と違って敵を中心に円を描くように移動しながら戦う。

 こうやって戦えば、逃げてる間に後ろからも来て挟み撃ちなんて事にならないので、長期戦になっても安定して戦えるのだ。


 そして、レベルが上がった。

 生牡蠣を試食しながらステータス画面を見る。


 日坂部達也 年齢18

 冒険者レベル4→5

 HP25→30

 MP0

 力15→20

 魔力0

 体力15→20

 速さ20→25

 命中40→50


 装備 

 ベレッタMODEL92(攻撃力100)9mm×19mmブラックタロン(ホローポイント弾)×15発

 ライトボウガン(攻撃力30) 

 矢筒 鉄の矢尻の矢×18(攻撃力10) 木の矢×8(攻撃力1)

 ロングソード(攻撃力10)

 ナイフ(解体用)

 ナイフ(採取用)

 木の盾(防御力10)

 革の鎧(防御力40)

 リュック


 お金

 320エル


 アイテム 

 ソーン(最高品質)×5 毒消し×2 皮袋(蒸留酒) 火打石 調味料(塩) 皮のマント 水筒(水) なめし皮の風呂敷 鉄の矢尻×5


 POINT 1

 GUNBOX 

 BENELLI MODEL 3(攻撃力50×15)12GAUGE(00バックショット)×6

 9mm×19mmブラックタロン(ホローポイント弾)×13発

 12GAUGE(RIFLEDSLUG)×6


 NEW EQUIP

 BENELLI MODEL 3

 12GAUGE(00バックショット)

 12GAUGE(RIFLEDSLUG)


 採取用のナイフを頻繁に使うのでリュックからポケットへ移動した。


 そして、念願のショットガンがもらえるレベル5に到達。

 これで戦術の幅が大きく広がるはずだ。


 ショットガンの弾は1ポイントで6発交換のようで、1ポイントを使ってスラッグ弾の弾を交換した。


 初期装備のベレッタは決まっていたが、どうやらショットガンは選べるようだった。


 どうするか迷った末にベネリM3にした。

 モスバーグやレミントンも捨てがたかったけどね。

 最新のベネリM4もあったが、ポンプアクションに切り替えできないので止めた。


 ちなみにポンプアクションとは、銃身を前と後ろに動かすようにして弾薬を1発づつ装填する方式の事だ。


 では次に、なぜ切り替えできるのが決めてとなったのかを説明しよう。


 ベネリM4は構造をシンプルにするために連射が可能なセミオートしかないのだが、セミオートで連射するとジャムル(空薬莢がひっかかりつまる)ことが結構ある。

 セミオートでジャムった場合は銃を分解しないとつまった薬莢を排出できないので、戦闘中にそれは致命的になってしまうのだ。


 だから、接近戦ではポンプアクションの手動による単発式の確実性が欲しいが、安全な距離ならショットガンを連射できるのは魅力なのでセミオートも欲しいと、この状況によってコンバーチブルできることがベネリM3にした理由だ。


 ただ、良い点ばかりでもない。

 切り替えなどで構造が複雑になると、重量と製造コストが増えたあげく故障率も高くなるからだ。


 ショットガンは狙撃による精密性を求める事は無いため、ジャムリさえなければ連射のできるセミオートを選ばない理由は無い。

 将来的には製造技術が上がるのでポンプアクションは淘汰されるだろう。



 ここでショットガンの弾を簡単に説明しておく。


 まず、ショットガンの弾はペレットやショットと呼ばれる小さな弾と、その弾を入れるケースのショットシェルの2つの弾に分けられる。


 そして、ショットガンのペレットの種類には、バードショット、バックショット、スラッグショットの3種類がある。

 さらに小さい弾のラットショットなんてのもあるが、基本は前の3種類だ。


 ラットとは鼠のことで、小型以下の獣を狩る時に使う1ミリ以下の弾。

 バードとは鳥のことで、小型の獣を狩る時に使う1ミリ~6ミリくらいまでの弾。

 バックとは鹿のことで、中型の獣を狩る時に使う6ミリ~9ミリくらいまでの弾。

 スラッグは鉱滓こうさいのことで、大型の獣を狩る時に使う単一電池くらいの鉛の塊だ。


 12ゲージのゲージとは、小さなペレットを入れるケースの事だ。

 このケースの弾の事をショットシェルと言う。


 10ゲージ 19.68mm

 12ゲージ 18.51mm

 16ゲージ 16.81mm

 20ゲージ 15.62mm


 ショットシェルに入れる小さい弾のことはペレットやショットと言う。

 00とかは使用しているペレットのサイズだ。


 ちなみに、これはアメリカの表記でバックショットのペレットのサイズの表だ。

 000、00、0、1、2、3、4と表記される。

 直径(mm)9.14 8.38 8.13 7.62 6.86 6.35 6.10


 12ゲージのダブルオーバックの弾なら、18.51mmのショットシェルに8.38mmのバックショットが入っている弾ということになる。



 8匹目の真珠貝タートルを狩った時点で蒸留酒が無くなったので、今日の真珠貝タートル狩りはここまでだ。

 ちなみに、途中でまた1レベル上がっている。


 1匹を倒す時間はけっこう掛かったのだが、真珠貝タートルはそこら中にいるため魔物を探す時間は短かった。

 だから、戻るにはまだ早いんだが……


 そして、リュックの中を見るとスカスカである。


 まあ、当然だよね。

 戦利品の真珠はパチンコ玉くらいの大きさで、ミニテラーバッドの羽も10cmくらいだからな。


 う~ん、この階層で狩りを続けるか?


 だけど、ミニテラーバッドは経験値も貰えないし戦利品もしょぼくてめんどくさい。

 ホールアリゲーターは今の矢の数だときびしい。

 殺人兎は論外だ。


 上の階に戻ってオオトカゲやホーンラビットを探すことにする。


 しかし、魔物が見つからなかった。

 いや、全く見つからないわけではない。

 一階層をすべて歩いて、オオトカゲが4匹とホーンラビット2匹と髭モグラが3匹しか居なかったのだ。


 どうやら、本当に狩り尽くしてしまったらしい。

 今日は町へ戻ろう。


 それにしても、ライトボウガンの火力が低すぎるんだよな。

 真珠貝タートルを1匹倒すまでに、だいたい10回~20回くらい攻撃しないといけないからきつすぎる。

 その間ずっと走り回っているんだぜ?


 矢尻の矢も足りなくて木の矢まで使ってるのはきびしい。

 矢が燃えてしまったのは完全に誤算だったよ。


 最後の1匹相手には、疲れから体当たりを1撃食らってしまうという失態を犯してしまった。

 噛まれれば1発で死ぬだろうから気をつけねばいけない。


 力が40までいけばボウガンが使えるのだが先はまだ遠い。

 なんとかならないだろうか?


 親父に相談してみよう。


 今回の戦果 

 髭モグラ3匹 ホーンラビット2匹 オオトカゲ4匹

 ミニテラーバッド3匹 真珠貝タートル8匹


 今回の収益 

 509200エル


 真珠の売値の合計が46万エルと圧倒的だった。

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