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超えて行く者(異世界召喚プログラム)  作者: タケルさん
第三章 超えて行く者
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130話 挑戦! 魔境のダンジョン

 マイセンの都市を後にして、俺達は魔境のダンジョンのあるハッサンの町へと向かった。


 セリアのやつ自信がありそうだな。

 こっちに来てからがんがん魔物を倒していたから、以前に挑戦した時より遥かに強くなってるんだよな。


 それにひきかえ、俺の方は魔物をそれほど倒せなかった。

 雑魚ならまだしも、レベルが24の魔物クラスとなるとボウガンで倒すのは難しいんだよ。

 だから、セリア達との差は広がってしまったんだ。


 「フフ、上手く行けば魔石が入手できるかも」


 「それが本音か?」


 ぼそりと、本音らしきものを呟いていたセリアに突っ込みを入れる。

 上級冒険者の証とか格好いい事言ってたのに台無しだ。


 「うるさいわね。魔石がどれだけ貴重か知ってるでしょ? お金を出しても必ず手に入るわけじゃないのよ?」


 心外だと言わんばかりにセリアが抗議していた。


 「あむあむ、これぇ美味しいねぇ」


 セレナはいつも通りマイペースで、焼き菓子を買ってもらってご機嫌なようだった。

 準備は万端である。


 そういや、前に来た時もセレナに焼き菓子を買ってあげていたな。

 強くはなったがセレナは変わらないな。



 魔境のダンジョンには他のパーティの姿は見えなかった。


 まあ、レベルが50以上の上級冒険者が挑戦するようなダンジョンだからな。

 上級冒険者なんて数えるほどしかいないんだ。


 魔境のダンジョンに入るとすぐに魔物が襲ってきた。

 セリアとセレナが魔物に突っ込んで行く。


 まずは、セリア達の戦いを観察してみるか。


 セレナが戦場を縦横無尽に駆け回り、セリアが突きで魔物を一撃で仕留めていた。

 どうやら、スキルを使わずに戦っているみたいだ。

 以前戦った時とは別人のようである。


 そろそろ、俺も参戦するかな。


 そして、俺の攻撃が決まる。

 セレナに攻撃されて動きが止まった魔物に矢を射ったのだ。


 避けられるのなら、避けられないタイミングで攻撃すればいいんだ。


 俺もしっかりと強くなっていた。


 「いい感じね! これなら行けるわ!」


 魔物達を殲滅するとセリアが嬉しそうに言っていた。


 勢いに乗った俺達はどんどんと奥へ歩みを進める。


 かなり奥まで来たよな?


 ギルドで支給されていた魔境のダンジョンの地図を見る。


 「おい、セリア! これ以上行くと、ケルベロスの出現地帯に入るぞ?」


 「ええ、そこまで行かないと魔石が入手できないのよ」


 「うええ。ケルベロスと戦うのか?」


 「そうね、魔石が目的だけど、居たら仕方がないわね」


 どうやら、ケルベロスと戦うことになりそうだな。


 ケルベロスはレベル50の大台に乗る魔物だ。

 このクラスになると、魔法の使えない冒険者は、はっきりいって戦力にならない。


 確か、ファイヤーブレスとか使うんだよな。

 気をつけよう。


 しばらく進んで行くと、セレナが急に立ち止まり睨むようにして前方を見ていた。

 セレナの見ている場所を確認するとケルベロスがいた。


 ケルベロス

 レベル50

 HP550

 MP280

 力450

 魔力350

 体力420

 速さ310

 命中180


 ケルベロスは1つの体に3つの頭が生えている犬だ。

 5mくらいの巨体で、全身は黒い剛毛に覆われていて毛先の方からは少し赤っぽい黒色の炎が出ている。


 セレナが疾風の如く駆け出して行った。

 セリアも後に続いていた。


 俺の方は射程ぎりぎりの20m程の距離を取って矢を射る。


 ケルベロスがすぐにファイヤーブレスを吐いてきた。

 戦場は火の海となり、前衛の戦場いっぱいに炎が広がっていた。


 うええ。

 あんなの、避けようがないぞ?


 セリアとセレナは?


 慌てて、前線にいる2人に視線を向ける。


 セリアは紫電を使ったみたいで、前線から離れた所にいつの間にか出現していた。

 セレナは疾風の魔法だろうか上空へと逃げていた。


 どうやら、ファイヤーブレスは誰もいない岩肌を焦がすだけで終わったようだ。


 ケルベロスの2つ目の頭から何発ものファイヤーボールが撒き散らされる。

 飛んできた火球は着弾すると爆発して岩を砕き炎を上げていた。


 こちらまで飛んできたため転がって避ける。


 「うお! あぶねえ」


 こりゃ、駄目だ!


 「セレナ! 達也! 撤退するわよ。達也! 援護お願い!」


 セリアが撤退の指示を出していた。


 やっぱり、ケルベロスを相手にするのは無理だったみたいだな。

 とはいえ、撤退の判断が早いから助かるぜ。

 さすがはセリアだ。


 セリアとセレナがケルベロスに背を向けると、こちらに向かって走って来た。

 ケルベロスに矢を射って足止めする。


 セレナは疾風の如き速度で、セリアは雷のように光るとワープしたように戦場を離脱していた。



 ケルベロスから逃げた後、ダンジョンから戻るため出口へ向かっていた。


 「あれはちょっときついわね。予想以上だったわ」


 セリアが悔しそうに呟いていた。


 「まあ、あれはしょうがねえだろ」


 ズクン!


 「な!? なんだ?」


 唐突にずくんと、まるでダンジョンの鼓動が脈打ったかのような気がした。


 「達也! 走って! モンスターパニックよ」

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