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超えて行く者(異世界召喚プログラム)  作者: タケルさん
第三章 超えて行く者
119/225

118話 セリアの切り札

 今日は作戦決行の日だ。


 俺達はグルニカ王都の西側にある、エミルの森へと向かっていた。

 魔物達の中心部へ向かえば自然と魔族が見つかるだろう。



 作戦には大勢の人が集まっていた。

 西側方面の部隊だけでも2万人はいるらしく、全軍だと10万人はいるだろうとの事だ。


 セリアやセレナ以外にも中級冒険者が何人もいた。

 最悪の場合は俺達が倒さなくても問題はなさそうだ。


 今のレベルは、こんな感じだ。


 日坂部達也 年齢19

 冒険者レベル21→24

 HP110→125

 MP0

 力100→115

 魔力0

 体力100→115

 速さ105→120

 命中220→280


 装備 

 ベレッタMODEL92(攻撃力100)9mm×19mmブラックタロン(ホローポイント弾)×15発

 2連装強化ボウガン(攻撃力100×2)

 矢筒 鋼の矢×50(攻撃力30)

 ロングソード(攻撃力10)

 ナイフ(解体用)

 革のラウンドシールド改(防御力30+10)手裏剣(攻撃力20×10)

 革の鎧改(防御力40+15)投げナイフ(攻撃力50×3)

 ポシェット 火炎瓶×3 ソーン(最高品質)×10 特効薬(最高品質)×5 毒消し×5

 ジッポライター

 まきびし

 リュック


 お金

 205,518,000グルニカ


 アイテム 

 ソーン(最高品質)×10 矢筒(木の矢×3 鉄の矢尻の矢×40 鉄の矢×50)

 皮のマント 弦(予備) コッキング紐 


 在庫 

 革のヘルメットランプ(防御力10) ナイフ(採取用) 皮袋大(蒸留酒) 真珠×20 

 小型ハンマー(採取用) なめし皮の風呂敷


 POINT 5

 GUNBOX 

 BENELLI MODEL 3(攻撃力50×15)12GAUGE(00バックショット)×7

 HK417D(攻撃力600)7.62mm×51mm(フルメタルジャケット弾)×20

 ダネルMGL(攻撃力500)40mm×46mm(HE弾)×6

 FIM92 STINGER(攻撃力3000)70mm×1520mm(地対空ミサイル)×10

 9mm×19mmブラックタロン(ホローポイント弾)×20

 12GAUGE(ライフルドスラグ)×7

 12GAUGE(BBバードショット)×4

 12GAUGE(00バックショット)×10

 7.62mm×51mm(フルメタルジャケット弾)×24

 40mm×46mm(HE弾)×6

 40mm×46mm(HEDP弾)×6

 M67 FRAGMENTATION GRENADE(攻撃力1000)×3

 M18A1 CLAYMORE (攻撃力150×700)×5

 M84 STUN GRENADE×2

 GHILLIE SUIT(迷彩服)

 VICTORINOX SOLDIER(アーミーナイフ)

 10×50mm MILITARY BRF BINOCULAR RANGEFINDER(双眼鏡)

 NIGHT VISION ATN PS15-3I FOM 1400(暗視ゴーグル)

 1QTCANTEEN(水筒)

 SOURCE TACTICAL 3L HYDRATION PACK(ハイドレーション)

 SEYCHELLE(浄水ボトル)

 COMBAT RATION(戦闘糧食)×114


 NEW EQUIP

 M18A1 CLAYMORE

 GHILLIE SUIT

 10×50mm MILITARY BRF BINOCULAR RANGEFINDER

 1QTCANTEEN

 SOURCE TACTICAL 3L HYDRATION PACK

 SEYCHELLE


 エミルの森に着いた俺達は森の中を進軍していた。


 森の木々の間隔はまばらで、森というより草原と言った方が近いだろうか。

 膝くらいまでの葦がひょろひょろと生えていて、地面を緑で覆い尽くしている。


 大勢で森の中を進軍していると、あちらこちらで落ちている木の葉や枝が踏み抜かれ乾いた音を大音響で鳴っていた。

 もちろんそれは、俺達だけが出した音ではない。


 どうやら、戦場となるエミルの森は魔物達で埋め尽くされているようだ。


 「達也、飛んでる魔物をお願い」


 「わかった。ちょっと待ってくれ」


 木々の合間を縫って、むささびのような魔物が飛んできた。

 上空を旋回するように飛び回り俺達を威嚇する。


 落とすだけなら木の矢で充分だな。


 木の矢を2連装強化ボウガンに装填すると、空中を旋回していた魔物を射落とす。

 乱戦状態なので、矢を回収できる状況ではないため使い捨てだ。


 魔物達との戦いは壮絶だった。

 操られている魔物達に退却の文字が無かったからだ。


 魔物たちは恐怖が無いのか倒されても倒されても特攻してくる。

 乱戦になると多少強くても意味は無かった。


 先程まで何匹も魔物を倒していた冒険者が、次の瞬間には袋叩きにされて死体に変わっている。


 これが戦争なのか?

 セリアとセレナの2人がいなければ、すぐに死んでいただろう。


 魔物達を倒しながら中心部へ進んでいくと、東の空が燃えていた。

 おそらくは、炎帝エリスがフレイムノヴァと言う上級魔法を使ったのだろう。


 「いたぞ! そっちの洞窟の方へ逃げた」


 どうやら、他の冒険者がお目当ての中級魔族を見つけたらしい。

 100mほど離れた木々の向こうから声が聞こえてくる。


 「セレナ、達也、私達も行くわよ」


 「わかったのぅ」


 「わかった」


 さすがの中級魔族も、数百、数千の冒険者に総攻撃をされたら耐えられないよな。


 セリアに返事をすると俺達も洞窟の中に急いで向かった。



 洞窟の中に入ると怒声のような声が聞こえてきた。


 どうやら、先に入っていった冒険者の人達が戦っているようだ。


 おかしいな?

 てっきり罠か何かで、大量の魔物達に待ち伏せでもされているのかと思ったんだが。


 念のため後方を警戒するが背後から襲われるような気配はない。

 そして、俺達の他に追いかけてきた冒険者はいないみたいである。

 まあ、相手は中級魔族だからな。


 それにしても、この中級魔族は何のために洞窟に逃げ込んだんだ?

 空を飛べるのだから空中に逃げればいいだけなのに。

 わけがわからんぞ。


 そんなことを考えていると、洞窟内で爆発音が響き渡った。


 「なんだ?」


 「達也! セレナ! 急ぐわよ」


 セリアが叫ぶと、即座にセレナと走って行ってしまった。


 「ちょっと、待ってくれよ」


 急いで追いかける。


 魔族か……ちょっと怖いな。


 戦場に到着すると、セリアとセレナが魔族を睨みつけていた。

 羽を生やした黒いガーゴイルのような魔物が冒険者達のバラバラの死体を踏みつけていた。


 魔族(中級)

 レベル45

 HP420

 MP2200

 力380

 魔力530

 体力320

 速さ260

 命中188


 セレナが疾風の如く魔族に向かって行った。

 初めからスキル全開のようで体からも刀身からも風が吹き出していた。


 セレナが飛び出すと同時にセリアも速攻で間合いを詰めていた。

 魔族に魔法を使わせてはいけないからだ。


 魔法を使われれば必殺に近いのは人間も魔物も変わらない。

 例外があるとすれば、マジックバリアを使う魔族と魔法を斬れる勇者くらいだ。


 セレナの斬撃を魔族が腕で防いでいた。

 セリアの突きが魔族の胸板で刺さらずに止まっていた。

 いや、どちらの攻撃も障壁のようなものに遮られている。


 恐らくはあれがマジックバリアだろう。


 魔族は嘲るように大きく羽を広げると空中を舞った。


 「させるかよ!」


 そこに、すかさず俺が矢を射る。

 しかし、魔族は空中で体制を崩していたが矢は鈍い音を出して弾かれただけだった。

 攻撃がまったく通用しない。


 なんだと!

 どうするんだこれ?


 動揺から思わず顔が歪む。


 しかし、ステータスの見える俺はすぐにある異変に気づいていた。

 

 なんとセレナの攻撃が当たるたびに魔族のMPが減っていたのだ。


 魔族も決して無敵ではないんだ。

 小さい攻撃でもMPさえ削ってしまえば勝機はある。


 しかし、魔族のMPはまだ2000以上は残っていて、攻撃が当たっても10~30くらいしかMPが減っていなかった。

 このままのペースだとこちらが先に力尽きそうだ。


 セレナが疾風の魔法で空中を舞って、魔族と戦闘を継続していた。

 セリアは魔族に攻撃が届かないため傍観しているようだった。


 セレナが放れるタイミングを見計らうと魔族を弓で射る。

 矢は鈍い音を出して何事も無かったかのように弾かれる。


 一見すると無意味に見えるが魔族のMPは確実に減っていた。

 今俺にできるのはこのくらいしかない。


 しばらくすると、受ける攻撃を無視して魔族が魔法を詠唱し始めた。


 まずい!


 セレナも気づいたのか、必死な表情をして何度も魔族を切り続けていた。

 なんとかして、詠唱を阻止しようとしているようだ。


 俺も必死に矢を装填して魔族を射るが、魔族の詠唱は止まらない。


 「達也! 逃げて!」


 矢を装填していた俺はセリアの叫び声に顔を上げる。


 セリアの叫び声と当時に、魔族の手から放たれた爆発が洞窟内に炸裂した。

 気づくと目の前が真っ暗だった。


 あ? え? 俺は死んだ……のか?


 ぽたり、ぽたりと上から何かが垂れてきた。


 「うぅ、達也、大丈夫?」


 セリアが俺を爆発から庇ったのか血だらけになっていた。

 綺麗な顔から血が滴っている。


 恐らくは、紫電を使って一瞬で爆発に割り込んだんだろう。

 いつもひょうひょうとして、ダメージすら負わないセリアのHPが100を切っていた。


 「お、俺は平気だ。すまん、助かった。それより、セリアの怪我が酷い。……セレナは無事なのか?」


 俺は動揺して声が上擦っていた。

 混乱してしまって、どうしたらいいのかわからない。


 おろおろと戦場を見るとセレナが1人で魔族と戦っていた。


 どうやら、セレナは爆発の直前にあれを避けたらしい。

 セリアも俺がいなければ紫電で避けられたんだろう。


 俺が完全に足手まといなんだ。


 ちきしょう。

 俺だって強くなってるんだよ。


 でも、戦闘がどんどんハイレベルになっているんだ。


 セリアに視線を戻すと、どうやら特効薬を使い傷を癒しているようだった。


 「どうする? 逃げるか?」


 「いいえ、切り札を使うわ。1発しか使えないから、外したらお終いだけどね。達也、私が合図をしたら、一瞬でいいから魔族の体制を崩して」


 セリアが持っていた槍にぎゅっと力を込めたようだった。


 インパルスカノンを使うつもりだな?


 セリアに頷いて了解すると、強化ボウガンに矢を装填してスタンバイする。


 セリアが前傾姿勢になると上半身を捻らせていた。

 槍からは光の糸がゆらゆらと揺らめいている。


 「セレナ!」


 セリアが叫んでいた。

 セレナがセリアをちらりと見て大きく息を吐いていた。

 どうやら、こちらの意図は伝わったようだ。


 セレナは魔族から離れると同時に剣先からソニックブームを放っていた。

 真空の斬撃は魔族の顔の部分のマジックバリアに当たると消滅する。


 ダメージは無いが魔族の視界は塞いだはずだ。


 「達也! 今よ!」


 セリアからの合図を予測していた俺は、セリアの合図とほぼ同時に魔族の羽に向けて矢を2連射で射っていた。

 ダメージは入らないが、空中に浮いている魔族の体勢を崩すには充分だ。


 「つらぬけ! はぁ!」


 セリアが裂帛のごとく気合を吐くと、手から雷鳴が轟いて光の槍が撃ち出された。


 バチンと何かが弾けるような音が鳴る。

 気がつくと、洞窟の天井に槍で串刺しにされた魔族がいた。


 どうやら、魔族のマジックバリアを完全に撃ち抜いたようだ。


 体を貫かれた魔族は、しばらくすると黒い塵となって静かに消えていった。

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