表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超えて行く者(異世界召喚プログラム)  作者: タケルさん
第三章 超えて行く者
108/225

107話 人類の反撃

 「オラァ! ぶっ飛びやがれ! 爆暴剣ブラストソード!」


 バッカスの燃えている大剣から狂暴な爆圧が送り込まれる。


 強烈な一撃が決まると、風に煽られた木の葉のように魔物の集団が吹き飛んでいた。

 数瞬遅れて、バラバラと何かの肉片が降って来る。


 そして、それを見ていた大勢の冒険者達から歓声が上がる。


 「今だ! 全軍突撃!」


 全軍の士気が高まった所を見計らったかのように、勇者バッカスが絶妙のタイミングで号令を掛けた。

 冒険者達が雄たけびを上げると、街の中にいる魔物の群れに突っ込んで行った。


 「見事な用兵だ」


 ミストがバッカスを見て、にやりと笑う。


 「まったく、そのスキルを使う時に声に出すのは何とかならないのかい?」


 アルテミスがあきれた顔をしてバッカスに呟く。


 「馬鹿野郎! スキルの名前を叫んだ方がかっこいいだろうが? そんな事もわからないのかよ!」


 バッカスが魔物に突撃しながらアルテミスに向かって叫ぶ。


 そんな2人のやり取りを見て、バッカスの隣で並走していたレックスがにこりと微笑み、後方の部隊にいたソニアがくすくすと笑う。


 そして、その声を聞いていた他の冒険者達の顔にも笑顔があった。

 全軍の士気は恐ろしい程の高さだった。


 バッカス達は魔物の群れと蹴散らすと、そのままの勢いで街を開放したのだった。



 サムソンがバッカス達の倒した魔物の戦利品を船に積み込んで再度物資の調達に向かった後、傷を癒したバッカス達はすぐに近くの街へと救援に向かった。

 

 バッカス達が襲撃していた魔物達をあっという間に蹴散らして街を開放すると、その勇士を目の当たりにしていた冒険者達が続々と集まってきてバッカスの軍に合流する。

 そして、集まってきた冒険者達で膨れ上がった軍を率いて、バッカス達はまた近くの街に救援に向かう。


 そんなことを何度か繰り返していると、現在の勇者バッカスの大軍勢となっていたのである。


 「次の街は何処だ?」


 「このまま北上すれば、見えてくると思います」


 バッカスの問いにソニアが答える。


 街を開放したバッカス達は休む間も無く次の街へと進軍していた。

 分断されてしまった補給線を一刻も早く繋げるためである。


 「バルバトス王には悪いが補給線の回復が急務なんでな……すまんレックス」


 「どの道……今の戦力で救援に向かっても退路を断たれて孤立するだけだよ」


 バッカスの言葉にレックスが苦しげな表情をして答える。


 「バルバトス王は強い。だから、慌てる必要はない。それに急いだ所でいまさら大して変わらん」


 「そうさね、駄目ならどの道死んでるだろうさ」


 ミストがレックスを励ますとアルテミスもそれに賛同する。


 「アルテミス! それは言いすぎでしょ? レックスのお父様なのよ?」


 「ああ! ごめんよレックス。わたしゃあ、そんなつもりじゃなかったんだ」


 ソニアが口の滑ったアルテミスの発言を諌めると、アルテミスは肩をすくめてレックスに謝罪していた。


 「大丈夫だ、わかってるから気にしないでくれ、アルテミス」


 レックスが無理をして作ったような笑顔でアルテミスに答える。


 しばらく進むと、魔物達に襲われている街が見えて来る。


 「さあ、湿っぽいのはここまでだ。一気に片をつけるぞ? 全軍突撃!」 


 この日、2度目となる突撃を敢行する。


 そして、即座に街を開放すると次の街へと移動したのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ