表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超えて行く者(異世界召喚プログラム)  作者: タケルさん
第三章 超えて行く者
102/225

101話 新たなる大地へ

 「ナタリアさん、レインボーラットって知ってます? ちょっと、討伐しないといけないんですよ」


 家にいたナタリアさんに早速尋ねてみた。

 料理をしていたナタリアさんが手を止めて振り返る。


 「あら、達也さん。レインボーラットですか? めずらしい魔物ですよ。確かグルニカ大陸に生息していたはずです」


 グルニカ大陸かあ。

 少し遠いな。

 移動時間を考慮すると、急がないとまずいな。


 ナタリアさんに生態を詳しく聞いてみた。


 レインボーラットは体が保護色になるらしく、500mくらいまで近づくと透明になって見えなくなってしまうそうだ。

 固体数は普通に分布しているようだが倒すのは困難なようだ。


 距離500か……スコープの無いバトルライフルでは狙撃は難しいだろうな。


 どうやって倒そうか考えていると、ナタリアさんが楽しそうに豆知識を語り始めた。


 「達也さん、なぜレインボーラットと呼ばれているかわかりますか?」 


 「え? いえ」


 「ふふふ、まるで虹のように消えて見えなくなるからレインボーラットと呼ばれているんです。ロマンチックですよね。ああ、それと図鑑に描かれている絵がとても可愛いんですよ」


 嬉しそうに語るナタリアさんの話しを俺は顔をひきつらせて聞いていた。


 すんません、今からそれを殺しに行くんです。


 悪気はないんだろうけど相変わらずの天然に困ってしまう。


 それにしても、よくそんな詳しい事まで知ってるよな。

 さすがはナタリアさんだ。


 ナタリアさんにお礼を言うと、セリア達に連絡を取るためレーベンに向かう。

 魔大陸へとクエストに行けないかを聞くためだ。



 教えられていた住所に行く。

 玄関の扉をノックするとセレナが飛び出して抱きついてきた。


 「たっつん!」


 「おっと」


 セレナを抱きとめるとセリアは何処にいるのかと聞く。

 どうやら居間にいるようだ。


 セレナに居間まで案内される。


 「あら、達也どうしたの?」


 「クエストで魔大陸へ行けないか?」


 「いきなりね……理由を話してくれる?」


 セリアのもっともな理由に顔がしかめる。


 理由を話すわけにはいかない。


 だが、命の危険がある場所へ一緒に来てくれと言うのだ。

 嘘はつきたくない。


 「そう……いいわ、理由は話さなくてもいい。私達もそろそろ魔大陸へ挑戦しようと思っていた所だったしね」


 理由を話せずに黙っているとセリアが妥協してくれた。


 「いいのか? 魔大陸は危険な場所なんだろう?」


 「さっきも言ったけど、魔大陸に行こうと思っていたのは本当のことよ。だから達也のお願いはついでよ。理由は話せないんでしょ?」


 セリアの言葉に黙って頷く。


 「なら、決まりね。早速魔大陸へ向かう準備をしましょう。セレナ、魔大陸へ達也と一緒に旅行に行くわよ」


 セリアがセレナに子供をあやすように伝えていた。


 「ええ~? ほんとぅ? やったああああ!」


 セレナは大はしゃぎで居間を駆け回っていた。

 本当に嬉しいようだ。


 「たっつんといっしょぉ、えへへへ」


 セレナがにこにこしながら抱きついてくる。

 そして、俺の腕を掴むと上下にぶんぶん振り回す。


 はは、やっぱりセレナは可愛いな。


 「ただ、前に行った時はずいぶんとキナ臭い状況だったのよね。だから、魔大陸の情報を集めて準備をするまで2日は必要ね。達也、2日後にまた来てもらえる?」


 「わかった。2日後だな」


 旅の準備をしなければいけない。

 長旅になるから、親父や弟子3人にも伝えておかなければ。

 忙しくなるぞ。


 急いでモニカへと戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ