100話 デスゲーム開始
今日はデスゲームの始まる日である。
前日に武器屋へと行き最後の準備をした。
力が100を超えたので装備を強化ボウガンへと換装する。
当然ながら、強化ボウガンを2つ購入して2連装強化ボウガンに改造した。
強化ボウガン仕様の鋼の矢も購入したかったが今度にした。
大陸を移動する事があるかもしれないため、お金を少しは残しておかないといけないのだ。
それでも鋼の矢を少しは持っておきたいので、購入本数を決めるのはデスゲームでの条件を確認してからだ。
装備の補修と修繕もしてもらうために、刃先の鈍った投げナイフと手裏剣を研ぎに出した。
何度も何度も使ったため、刃先が歪んで細かい傷には大量の魔物の血が染み込んでいた。
多くの仕事を一度に依頼したためか、親父は『おいおい、さすがに少し時間が掛かるぞ?』と最初は苦笑したような顔だった。
しかし、使い込んだ投げナイフと手裏剣を渡すと親父の顔色がスッと変わった。
親父に『達坊、お前こんな戦い方をしていたら死ぬぞ?』と心配そうな顔で警告された。
セリアにも言われたが、そうとう無茶をしていると判断したのだろうな。
わかってるさ……
銃がなかったら、今まで何回死んでいたかわからないくらいだからな。
それでも、やらなければ確実な死が待ってるんだよ。
代金は全部で550万エルだった。
強化ボウガンは1つ250万エルした。
予備の弦も用意して、ソーンと特効薬の備蓄も用意してある。
そして、ゆっくりと体も休めて心身ともに健康である。
さあ、準備は万端だ。
そして、デスゲームの条件が開示された。
ゴブリンの討伐100000匹 仲可 報酬 無線式C4爆弾
レインボーラットの討伐 銃可 報酬 PGMヘカートⅡ
キラーパンサーの討伐 報酬 グロックカスタム
猶予期間360日 未達成の場合は日坂部達也の死亡
俺は食い入る様に条件を見る。
報酬? クリアすると貰えるのか?
いや、今は条件の確認が先だ。
「…………」
やっぱり、マイクエストと同じ方式できたか!
予想通りで安堵が半分と危機感が半分といった感じか。
で、肝心の条件は何だ?
ゴブリンは1000匹か? くそっ! 数は多いが何とか……なにぃ!?
1万? 違う! 10万匹だと?
「……馬鹿な」
途方も無い数に思わず声が出てしまう。
仲間が可能とはいえ無理だろ?
どうしろっていうんだよ。
とりあえず、次だ。
レインボーラット? この魔物は何だろう。
う~ん、わからんから後だ。
そして、最後のクエストはあのキラーパンサーだ。
こいつを1人で銃器を使わずに倒すだと?
密林のダンジョンでセリアが倒したやつだよな?
あの時、姿すらまともに捉える事ができなかったんだぞ?
それを俺が?
ああ、やっぱり猶予期間に見合ったクエストを要求してきやがった。
あきらかに今の俺では倒せない。
どうしよう?
えーと、今の俺のレベルではキラーパンサーは絶対無理だ。
だから、こいつはもう少しレベル上げをしてからだ。
ゴブリンの方も普通に戦っては焼け石に水だ。
何か作戦を考える必要がある。
これも後だ。
後は、レインボーラットとかいう魔物だな。
こいつが何なのかを調べる事から始めよう。
大陸を渡る事にでもなるなら移動時間が馬鹿にならない。
急がないといけない。
それにしても、間に合うのだろうか?
漠然とした不安がよぎる。
考えてもわからない事を考える事を悩むと言う。
未来などわからないのだから考えても意味はない。
しかし、どうするかの答えは決めておかないといけない。
「努力するしか…………ないな」
何処を見るでもなくぼそりと呟くと静かに立ち上がる。
そして、ゆっくりと歩き始めた。
ここから本格的に物語が始まります。
3人称視点が多くなる為ご了承下さい。




