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考えるに  作者: 歩野
6/10

時代

 人類の歴史は戦争の歴史である。太古の部族間の争いに始まり、軍隊を編成しての戦となり、ついにはボタン一つで何百万人が死ぬところまできた。

 暴力による戦争は一応の終焉を迎えつつある。

 代わってやってきたのが経済戦争である。

 いつの時代になるかは解らぬが、経済戦争もいずれ終わるだろう。

 二十世紀に入り、人類はもの凄い勢いで進歩した。技術も、文化も。それは異常ともおもえるスピードである。ライト兄弟の初飛行が、二十世紀に入ってからの出来事なのだから。

 人類が異常なスピードで進歩した為、今あらゆる面でその歪が噴出している。倫理観、環境問題はその最たる物だろう。

 これだけ技術や文化が進歩しても、人間の本能は原始時代のままである。

 もし、技術や文化に比例して理性が発達していたら、あらゆる戦争がなくなっているだろう。

 考えてみてくれ。地球は全人類を潤すだけの資源を持っている。しかし地球の片隅では、飢えに苦しみ餓死する者が今でも後をたたない。片や一機数十億円もする戦闘機が群れをなしている。

 物価が異常に高い日本で、一人が一生をかけて稼ぐお金は二億円ちょっとである。戦闘機一機で、物価の安い発展途上国の人間が、何人一生を安泰に暮らせることか。

 解決策は、世界中の軍隊を解散し、その軍事費を全人類の福祉にまわせばよいだけの、実に単純明瞭な話だが、そうは問屋が卸さない。

 なぜなら、それは政治だからだ。

 世の中は政治で決まるが、その政治を司る人間が、あきれるほどに下劣な人間ばかりなのだ。

 政治家の過半数がまともな人間になれば、あらゆる問題は解決されるだろう。

 それが簡単でないのは百も承知だ。

 政治すら経済になってしまった今日、そこには莫大な利権が渦巻いている。

 政治家の考える事といったら、利権を守ることばかりだ。

 利権を侵そうとする者が現れると、あらゆる手段でつぶしにかかる。かのケネディ兄弟が、アメリカ政府に暗殺されたように。

 現状ではどうする事も出来ない社会構造だが、もし日本にまともな政治家が現れたら、我々有権者が黙殺しないよう心がけようではないか。


 あらゆることに歪が生じているこの時代。

 人類よ、急ぎすぎてはいないか。

 今は立ち止まって、考えるべき時代ではないのか。



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