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Life the four seasen  作者: Holl
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奇跡の始まり

この小説はフィクションです。

俺は人生が嫌いだ。人生は何も無い。同じ事の繰り返しだ。特に何があるって訳じゃない。

こうしていて、いつか何かが変わるのだろうか。変わる日が来るのだろうか・・・。


俺は激しい光で目が覚めた。

ここはどこなのだろうか。視界もぼんやりとしている。頭も少し痛い。声も聞こえるが聞き取りにくい。俺は一体どうしたのだろうか。

「先生!患者が意識を取り戻しました!」

「君。大丈夫かい。目は、見えるのかい?」

「あの・・・ここは・・。」

「大丈夫。ここは春原病院だよ。君は、事故に遭ったんだ。」

病院・・・。なぜ事故にあったのか、俺は何をしていたのかが思い出せない。それは目が覚めたばかりだからじゃない。本当に記憶に無かった。記憶がどこかに飛んでいったように・・・。

「あの・・・・俺は何て名前なんですか・・・。」

「君。思い出せないのかい!?」

「・・・・はい。なぜ事故に遭ったのか、俺はどこに住んでいて、何をしていて、どこの誰なのか、何も思い出せないんです・・・。」

「無理もない。あれだけの大事故だったんだ・・・。意識が戻ったのも奇跡と言っていい程ね。君は3日間も眠り続けてたんだ。多少の記憶障害があってもおかしくはない状態だったからね。今は思い出さなくていい。君はゆっくり休みなさい。」

ゆっくり休みなさい。それがスイッチになったのか。安心したのか。俺は遠のく意識を押さえきれず、ゆっくり眠りについた。


深い暗闇の中。俺は声を聞いた。透き通った、きれいな声を。

『貴方はこれから奇跡に出会います。たくさんの困難も待ち受けています。辛く厳しい状況に出会います。でも、それは貴方に何かを与える事になります。決してくじけない事です。決して・・・』


俺は目覚めた。今のは夢だったのか・・・。夢にしては本当に少女と話しているような感覚だった。

奇跡。奇跡に出会うって、どういうことなんだろうか。夢か、夢だったんだよな・・・。長時間の睡眠にボーっとしてしまった。頭の痛みも無くなっている。本当に大事故があったのか分からないぐらいスッキリした気分だった。隣では、目が覚めた時に話した先生がカルテを見ている。目覚めた時には良く見なかったが、多分50歳前後だろうと思った。髪に少し白髪が混じっているところや、シワが少々あるところからそう思った。俺が目覚めた事に気づいていないのだろう。

「あの・・・・。」

「え?あ、あぁ!君、目が覚めたのかい。」

「あ、はい。お陰様で、ありがとうございます。」

「いやぁ。医者が患者を助けるのは当たり前だからね。」

「あ、そうですよね・・・。ハハ」

「君、何も思い出せないんだよね。」

「はい。何もかも忘れてしまってるんです。何もかも・・・。あの、俺は一体どういう大事故に遭ったんですか。」

「君たちの家族は引っ越しの途中に事故に遭った。引っ越し先の、この街に入ったところでね。大型トラックとの衝突事故だったらしい・・・。車はズタズタになってたよ。両親は即死だったよ。この病院に運ばれるまえに亡くなった・・・。交差点でのトラックの信号無視だったようなんだ・・・。」

「そんな大事故なのに、俺はとくに大きな傷も無いようなんですが・・・」

「そうなんだ。それが奇跡でねぇ。両親は即死だったようだけど、君はかすり傷程度だった・・・。神様の起こした奇跡だろうねぇ。」

奇跡。俺は夢を思い出していた。これが奇跡なのだろうか。いや、違うだろう。少女は『これから』と言っていたし・・・俺は奇跡が起きるような生き方をしていた人物なんだろうか。そうだったのだろうか。そもそもあれは夢で、現実では無いんだったな・・・。

「君・・・大丈夫かい?」

「あ、はい。すみません。」

「両親を亡くしたんだ。大丈夫な訳ないよねぇ。」

「いや、俺、あんまり自覚が無いんです。まるで人事のような・・・。父が、母がどんな性格でどんな人だったのかが覚えていないので・・・。全然ショックじゃ無いって訳じゃ無いんですけど、今の俺ならどんな事でも受け入れれるような気がするぐらい・・・。俺・・・酷いですよね・・・。」

先生は少々うつむいて口を開いた。

「・・・・・・・こう言うのもなんだが・・・人はいずれ死んでしまう。両親の死は、一生に1度の耐えきれない程の悲しみだ・・・。もしかしたら、両親の死の直前、記憶をなくした方が、楽なのかもしれない・・・。」

暗くなった先生の顔を俺は見逃さなかった。先生も、両親の死に直面したんだろう。そう思った。

「そう・・・ですか・・・。」

今の俺には何て言ったら良いのか分からなかった。以前、俺はどんな感情の持ち主だったのか。普通、両親の死は泣いたり嘆いたりするものなんだろうけど、俺にはできなかった。できない自分が、恥ずかしかった。

「君・・・これからどうするつもりだい?」

「分かりません。あの、いつ頃退院できますか。」

「それなんだが・・・・明日だよ。」

「明日!?明日に退院できるんですか!?」

「あぁ本当に信じられないことだ・・・」

信じられなかった。明日に退院して、俺はどうしたらいい。名前は?住むところは?突然突きつけられた事に、俺はどうしたらいいか分からなかった。

「あの、俺の名前。分かりますか。」

「あぁ、そうだったね。以前の高校に問い合わせてみたよ。君の名前は、岡崎和也オカザキ カズヤだ。」

「岡崎・・・・和也・・・。」

全く覚えのない名前だった。これが自分の名前なんだ。

「それで、こんな事病院の先生に聞くのは変なんでしょうけど・・・。住むところは・・・」

「君たちの家族は、この街に引っ越すつもりだった。この街の、古村という家族の家に。」

「古村・・・さん?」

「あぁ。君の両親と関係があるようだけど、そこまでは知らないんだ・・・。とにかく、この街の古村さんの家行ってみなさい。記憶が無いことも忘れずに言うんだよ。」

病院の先生が知っていた事を俺は不思議だと思った。俺のために調べてくれたんだろうか。見た目に似合って、優しい先生なんだな・・・。

「それじゃあ、私は行くよ。できれば付いていたいけど、そういう訳にもいかないからね。何かあったら、枕元のボタンを押してくれたら駆けつけるよ。」

「本当に・・・ありがとうございました。」

「あぁ・・・。」

そう言って先生は病室を出て行った。俺は明日、退院して・・・それからどうしたらいいんだろうか。俺は16歳高校生らしい。高校1年生か・・・。1年生なのになんで転校なんてしたんだろう・・・。でも、そんな事どうでもよかった。以前の事なんて、どうでもよかった。そう思ってしまった。俺は何も考えないようにした。多分、時間が解決してくれると思った。逃げていただけなのかも知れない・・・。


俺は病院最後の夜、また不思議な夢を見た。人の声ではなく、ちゃんとした夢だが、どこかリアルだった。場所はどこか分からなかった。街中まちなか・・・木が生えている・・・どことなく第三者目線だった。

「もう、お別れだね。」

「うん。でも絶対来るから。また来るからな!。」

少女と少年が話していた。俺には誰と誰か分からなかった。一体・・・誰なんだろう。

そう思った時、俺は目覚めた。


事故に遭ってから二日。変な夢を二度見た。一体なぜなんだろう。過去にもこんな夢をずっと見ていたんだろうか。今日で退院なのか・・・。俺は歩み始めるのか、新しい人生を。

なぜか心地よかった。これから白紙のノートに、新しく『人生』が描かれる事に・・・。


「はい。いろいろありがとうございました。」

「それじゃあ、お大事にね。」

「はい。」

「あ、それと、君の記憶障害。記憶喪失の事だが、あれは多分一時的ショックにおける記憶喪失だと思うんだ。だから、時間が経つにつれて、少しずつ思い出していくと思うよ。」

俺は一礼して病院を後にした。大事故があったなんて、まだ信じられない。とりあえず、俺はこの街の古村さん家に行けばいいんだよな。どこかな・・・。

俺は街を歩き回った。

(迷わないように、迷わないように・・・)

とくに迷うと言うほどの大都市ではなかった。都会か田舎で問われると田舎と答えるだろう。俺は方向音痴では無いので、とくに心配は無かった。しかし角を曲がったとき、俺は誰かとぶつかった。

『ドンッ』彼女は尻餅をついた。そんなに勢いよくぶつかってはいないのだが・・・。

「うぅぅぅ。いたいよぉ。」

「あぁスマン。考え事をしてたから。」

俺は手を取って彼女を起こした。多分俺と同じ高校生だろうと思った。見た目だけど・・・。

語尾に母音を伸ばした音が付くようなゆっくりして優しい声だった。髪が腰まであって旋毛らへんのアホ毛が二本ぴょこんと出ているのが印象的だった。

「ありがとう。私も考え事してたんだぁ。」

「何考えてたんだ?」

「あのねぇ。4日前に親戚が家に引っ越して来る予定だったんだけど、事故に遭ったらしくてぇ。」

少々うつむいた彼女は悲しそうだった。4日前・・・事故・・。俺はハッとした。4日前に事故に遭って引っ越し途中って言う人物・・・、俺しかいないと思った。でも念には念を入れた。

「その人達って、何て名前なんだ?」

「岡崎さんって言う家族なのぉ。」

やっぱり俺達家族の事だったんだ。って事は彼女は古村家の娘さんって事なのか。

「あの、それじゃあ私は行きますねぇ。」

「俺が岡崎だ。」

「え?」

「俺が岡崎だ。岡崎和也。」

突然言われた事に彼女はポカンとして、じぃーっとこっちを見てきた。

「あのー。もしもし?」

「えーーーーーーー!?君が岡崎君!?」

「あ、あぁ。」

「でもぉ、事故に遭ったんじゃ・・・」

「あぁ、でも奇跡的に軽傷で済んだんだ。でも・・・」

「でも?」

「記憶障害なんだ。つまり、記憶喪失なんだ。」

彼女は驚いていた。驚いていたというより、ショックな顔をしていた。

「じぁあ、私の事も覚えてないのぉ!」

「私の事?俺とお前は以前会ったことがあるのか!?」

「そりゃそうだよぉ。だって、岡崎君は昔この街で私たちと暮らしてたんだからぁ。」

「この街で、以前・・・暮らしていた?」

俺はこのとき気づいていなかった。この街で何があったのか。俺たちに、どんな出会いがあったかを。そして、これから始まる奇跡と約束の、物語を・・・。

2話、3話と見てください。1話ではうまくまとめれないんです(泣)

この小説は本気で書いてみました。感動作!ってことにしといてください。感動をテーマに書いてみました。皆さん応援よろしくお願いします。

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