表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/13

帰正




「う…。」


次に私が目を覚ますと案の定、あの街に戻っていた。


今は、雨が止んでいる。

しかしまだ暗い。

ただ昼間である事は、間違いなかった。


「これで、戦えってか?」


私は、乳母たちに持たされたアンカーと鉄砲を見つめる。


詳しくはないが───

私は、鉄砲の事など知らないハズなのにこれが左手用だと分かる。


だから鉄砲を左手に構えた。

残る右手に錨を握りしめる。


「ふん!!」


とりあえず錨を振り回してみた。

重さ500kgを軽く超えるハズの鉄の塊を私は、簡単に振り回す事ができる。

信じられないことに。


「ど…ぉ……せいッ!!」


今度は、鎖を長めに持って両手で振り回す。

持っていた鉄砲は、背中のホルスターに突っ込んだ。


「うお!」


石畳に叩き付けた錨は、勢い良く炎を噴き上げる。

どうやら何か機械が付けられているみたいだ。

ちっとも仕組みは、分らないけど。


(これが「仕掛け武器」だ。)


ふと誰かが頭の中で、そう囁いたような気がした。


「■■■■■■■■■■ォォォー!!」


私が暴れる音を聞き付けてゾンビたちが集まって来た。

前回の犬と違って今度は、人間のゾンビだ。

でもやっぱり顔は、ヘルペスだらけで病的に崩れている。


「■■■■■■■ァ■!!」

「■■■■■■■■■■ッ!!」

「■■■■!!」


「おいおい、人数多いって!!」


すっかり敵に囲まれた。

でも今回は、ちゃんと武器がある。


「死ねッ!」


私は、錨を振り回し、ゾンビたちを叩きのめす。

動きがのろいから簡単だった。


「あはは…っ。」


ああ、やっぱり殺しは、楽しい。

憎らしい連中を血達磨にすると爽快だ!

私は、この罪深い官能に痙攣するような多幸感を覚えた。


しかし楽しいのは、数秒のことだった。

ゾンビどもは、農業用フォーク(ピッチフォーク)ホウ円匙スコップで武装していた。

中には、長い鉄砲(ライフル)を持っている奴までいる。


私がゾンビ一人を挽肉にする間に鉄砲が3~4発当たる。

鋭いフォークの爪や円匙スコップの刃が私を激しく突く。


「痛い、痛ッ!

 や、やめてッ!!

 やめッ……畜生(ピジェーツ)ッ!!」


私は、石畳の道に倒れこむ。

そこにハンマーや鍬が振り下ろされ、私の灰色の脳ミソが石畳に零れた。


「が…あああッ!」


倒れた私の上に次々と攻撃が降り注ぐ。

それは、いつ終わることなく続き、ゾンビどもは満足するまで離れなかった。




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ