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(悪魔的) 天使 (的悪魔)

少々グロテスクが含まれます。ご注意ください。

「君は悪魔だよ。」先生の声がする。「悪魔?ですか?」「人を苦しめる仕事だ。」


「あ、ーーー先輩、一緒にーーー」「……」

「ーーーさん、よろしくお願いします!」「……」

「……」



「……」「アンタってほんと無口よね。」


違う。


「……」「ーーーやっといて。」「はい。」


パシリ。


「……」「いつも助かるわー。」


真ん中の一人。


「ありがとうございます!」「(笑)」


三人。


「もういいです。」「どうしたの?」「怖ーい。」


口角。


「ーーーーーーーーーーーーー」「……」


知ってる。



あれ、私って人間だったっけ?

「人間を苦しめる職業ー悪魔」

先生は嘘をつかないもんね。




「先生。私、天国へ行ってきます。」

「おお、急にどうしたんだ。」

「区画、溢れちゃって。一人。」

「押し付けられたのか。」

「ーーーーーーーー」


「いつでも手紙を待っているよ。」



最近私の正義執行も拍車がかかり、特に気に入らない奴は粛清している。これが効果的で、いつでも殺せると思うと、小規模の躾けもその意味を増す気がする。


なんだか妙に疲れたので、腹が立ってきた。


ちょうどいい。


私の眼は天使と座る男を見逃さなかった。身振りでわかる。意中の二人に見える。そう思えば思うほど、身の内の悍ましい何かが蠢き、その胎動は寒波を身に運んできた。


ちょうどいい。


右手に落ちていた一升瓶を持ち、音を立てず高く昇りながら周りを見渡す。


ちょうどいい。


にやけて右手を人差し指から順に離す最中、


見つかった。


「(来るなっ)」

火がついた。

一升瓶を受け止めるべく滑り込んできた小鳥の首を掴む。「うっ」声をあげる途中、瓶の口を腹にねじ込んだ。天使にあるまじき顔でえずくのが悪い。気分が高潮してきた。持ち替えてソレの頭で瓶を叩き割り、破片で翼を切った。白目と涎の顔でもなお叫ぼうとする。

もう片方の翼も切った。


痙攣し、のたうつ翼は紅く叫びながら堕ちる。

下から恋仲を崩すような悲鳴が聞こえたのは五秒後くらいだろうか。


翼を根本から切って、三人一緒に衣で縛って、土に埋めた。


彼岸花を添えて。


天使は天国の墓を掘り返しはしない。転生するまで安眠できる。


全身の血が整列した後、耐えきれず、川辺で酒を呑んだ。川にも呑ませたり、人間に酒を渡しておっぱらったりした気がする。


今日は気分がいい。頬を見なくてもわかる。

殺害の快感は私を良く救ってくれる。


死ぬ前に「この悪魔め。」睨まれたのだが、私はそれを肯定すべきか、否定すべきか。

最後まで読んでいただきありがとうございました。マイペースに書いていきます。

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