番外編2 先輩の教え(2章5話の後ぐらい)
※注意※ これは成海が軽い気持ちで書いたものなので、カッコいい騎士が好きな方は読まないで下さい。
ある日私が辺境伯城の庭園でお茶を飲んでいると、近くの植え込みから声がした。
「いいか、ルディ。これから俺が先輩として大事なことを教える」
「はい、よろしくお願いします、レオさん」
「まずは、姫ちゃんが一人でお茶をしている時が狙い目だ」
「レオさん、お嬢様がお一人と言うか‥‥メイジーさんが凄く冷めた目でこちらを見てますけど‥‥」
「あいつの事は気にするな。気にしてたら何もできないからな!」
「はい!」
がさがさ音がした後に植え込みからレオとルディが現れ、私の前まで歩み寄る。レオが膝を付いてテーブルを指で挟み、顎を乗せた。両手と顔だけテーブルの上に出ている状態だ。ルディもそれにならう。
「聞いてよ姫ちゃん、昨日さぁ、こんな事があったんだよ‥‥」
いつも通りのレオだったので、いつものように彼の銀髪を撫でた。隣のルディの焦茶の髪も撫でる。
「ほらね、姫ちゃんは優しいんだよ」
レオは横を向いて自慢げに語る。
「ええ、レオさんの捨て身の作戦ですね」
「プライドも何もかも捨ててるけどな」
メイジーが冷静に突っ込んでいた。
「でも、自分のレディに頭を撫でられるって、照れますけど嬉しいですね」
ルディがそう感想を述べてくれたので、私はまた二人の頭を撫でた。
彼らが嬉しそうにしているのを見て、私はメイジーを振り返った。
「メイジーもどう?」
ルディが慌てて遮る。
「お嬢様、メイジーさんは参加しませ‥‥」
その言葉が終わらないうちに、私の横でメイジーがすうっと流れるように片膝を付いた。その頭を優しく撫でる。
「‥‥俺、メイジーさんが分からなくなりました」
テーブルに顎を乗せたまま、ルディが呟いた。




