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カリス公爵令嬢は幸せになりたい  作者: 成海さえ
第一部 第三章 魔法学園一年生(14〜15歳)
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3-46 パーティー2

「まず、一般人が悪魔を使役するには、その命令に対しての報酬が必要です。雇用主と従業員のような関係だと思ってください」

 なるほど、分かりやすいわ。


「基本的には前払いです。悪魔は雑食なので、生命力が宿るものなら何でも‥‥切りたての髪一房や爪でも、ペットでも家畜でも構いません。ただし、位が上がるほど美食家になるので、そんじょそこらのものでは満足しないでしょうねぇ‥‥」


 では、この方は何を報酬に雇用されているのかしら?‥‥思わず陛下のお顔を拝見したら、ふと笑われた。ベルの饒舌が続く。


「特に本日は一年最後の日となります故、小悪党の皆様が功を急いて駆け込み悪事を働きがちな、私ども悪魔にとっても稼ぎ時なお日柄となっております」


「召喚された悪魔ってお願いを何でも聞いてくれるのですか?」


 尋ねると、ベルは正面に周り、階段を一段降りて恭しく頭を下げた。


「ええお嬢様。呼び出された悪魔の能力の範囲内でなら何でも叶えて差し上げますよ。貴方なら何を願いますか?」

 私は今までの色々を思い出す。あ、そうだわ。


「“悪魔の深淵”を塞ぐ事は出来ますか?」

 尋ねてみる。ベルはにっこり微笑んだ。


「ええ、私でしたら可能です。ただ、あれは火山のように世界のあちこちに一定数存在しないといけないものなので、例え国境の穴を塞いでも、そのすぐ隣に再び出現する可能性は大いにございます」


 その後も陛下と言葉を交わし、辺境伯のお祖母様や王太后陛下とも既知の仲だと判明した。そして陛下は最後にこう仰った。


「私は執務があるゆえ、明朝早く帝都に向けて出発する。後のことはルシファーに任せてあるので安心するように。これに懲りず、また二人で遊びに来るといい。いつでも歓迎しよう」



 パーティーはまだ続いていたけれど、頃合いを見計らって私達も退出した。


「リーディア、今日はありがとう。また明日ね」


 カミラ様と部屋の前で別れる。使者様はレオやルディと共に別室へ移動した。

 とりあえずつつがなく終えられて安堵の息を吐いた。メイジーに手伝って貰って部屋着に着替えはじめる。


「パーティーが無事に終わって良かったわ」


 脱いだドレスを脇に置いて、メイジーが部屋着を取り出した。


「そうですね‥‥でも、アルカナに着くまでは気を抜けませんが」


 服の着替えが終わり、今度は髪をきれいにしていた時だった。

 遠くで女性の悲鳴が聞こえた。


「メイジー、行って!」


 彼女はすぐに扉を開けカミラ様の部屋を目指す。私も身支度を整えながら王女殿下の元へ急いだ。



今日もお疲れさまです。

本日の更新分を見ていたら、気になるところで終わっていたので、今日はあと2話更新します(夕方6時代です)。


今日の更新が終わると、残りがあと7話になってしまうので、少し寂しく思う成海でした。

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